古いブラウン管テレビを処分するのがとにかく大変だった話

身軽な生活

我が家には古いブラウン管テレビがあります。
20年以上前に製造されたものですが、最近はずっと使われることなく押し入れに眠っていました。
今回一念発起してこの古いブラウン管テレビを処分してきたのですが、
その手続きやら搬出・搬入がやたらと大変だったので、その顛末をご紹介したいと思います。

我が家に古いブラウン管テレビが残ってしまった理由

私は普段テレビを見ない生活をしています。
正確に言うと、あるときからテレビを見ることをパッタリと止めてしまったのでした。
それは2011年の地上アナログ波停止→地上デジタル波移行のときでした。
勝手に電波の仕組みを変えた挙句に、古いテレビはもう使えない。
そんな理不尽なやり方に憤りを感じて、ならばもうテレビを見るのは止めようと決めたのでした。

そういうわけで、我が家にはブラウン管テレビが使われることなく取り残されることになったのです。

しかし、そのまま使われないまま10年以上放置しているとさすがに邪魔になってきました。
21インチのサイズのものですが、とにかく液晶テレビと比べると重くてかさばります。
ちょうど大規模な部屋の模様替えを計画していたので、ついに処分することを決めました。

なぜか買い替えが前提のテレビリサイクル制度

ところで皆さんは古いテレビの処分はどうしていますか?
大抵の人が「新しいテレビを買ったときに古いテレビは回収してもらった」と答えるでしょう。
そうです、テレビのリサイクルは新品への買い替えを大前提に作られているのです。

ということは、私のように買い替えをしないユーザーは取り残されてしまうのです。
もちろん、救済の道は残っているのですが、それがあまりに煩雑で面倒くさい。

テレビのリサイクル制度は基本的に二段階に分かれています。

まず最初に「リサイクル料金」を納入しなければなりません。
これは郵便局にて現金で支払う方法があります。

次に、テレビ本体の回収または搬入です。
これには次のような大きく3つの方法があります。
  (1) 購入した業者に引き取ってもらう
  (2) 「指定引取所」に自分で直接搬入する
  (3) 「廃棄物処理業者」に自分で直接搬入する

(1)は、近所の電気店などで購入した場合を想定しているようです。
ただし、私の場合は某ネット通販で買ったものです。
調べてみたところ、「買い替え」のケースにしか対応していませんでした。
もし引き取ってもらえるお店が見つかったとしても、「収集・運搬料金」が別途取られるとのこと。
残念ながら、私の住む地域には回収や引き取りに対応している店舗はありませんでした。

(2)は、各都道府県にある「指定引取所」なる施設に自分で直接持ち込む方法です。
この方法の最大のメリットは、搬入・回収料金(リサイクル料金とは別物)が無料になることです。
しかし調べてみると、私の県にはたった2カ所だけ、どちらもかなり離れた地域にあります。
高速道路を使っても往復でほぼ一日がかりの大仕事になり、現実的ではありません。

(3)は、各地域の民間の廃棄物処理業者に直接持ち込んで、そこから指定引取所にリレーする形です。
しかし、もちろんタダではありません。
廃棄物業者が独自に設定した「収集・運搬料金」つまり業者から指定回収所まで運ぶための費用を別途支払わなければなりません。
ところが、ネットで調べても基準となる料金とか相場とかが全然出てこないため不安が残ります。

色々考えた末、結局苦渋の決断で(3)の方法をとることにしました。
というのも、自宅からクルマで20分程度の場所に搬入を受け付けている業者があることをネットで見つけたからです。
多少の手数料を取られたとしても、高速料金を払って遠い指定回収所まで行くよりはまあマシだろう考えたのでした。

とりあえず郵便局に行ってリサイクル料金を支払う

まずはリサイクル料金を納入するために郵便局へと向かいます。
窓口で「テレビのリサイクル料金を支払いたい」と申し出ると、
局員さんが納入用紙とともに料金を調べるための分厚いパンフレット(冊子)を手渡してくれました。

このパンフレットがとにかく分かりづらい…
私は事前にネットで下調べしてきたのである程度のことは分かっていたのですが、
全く知らずに郵便局でこのパンフレットを初めて見た方はパニックになると思います。

まず、テレビのインチ数と製造メーカーを照らし合わせて自分で料金を算出します。
ところが、私の処分したいテレビのメーカー名にピタリ一致するものがありません。
どうやらその後に分社化したらしく、微妙に名称の異なる2社に分かれていました。
ちょっと考えてから、「無難なほう」のメーカー名のほうを採用します。
(後でネットで確認してみたのですが、このメーカー名のほうで正解でした)

次に、メーカー名やサイズ、算出した料金を自分で記入していきます。
メーカーのコード番号なども確認しながら書き込んでいかなければならないのでひと苦労です。
とにかく記入する箇所が多くてこれがまた大変です。

最後に、窓口でリサイクル料金を現金で支払います。
結局、私の処分したいブラウン管テレビのリサイクル料金は2500円ほどでした。

自力で「廃棄物処理業者」に搬入する

今度は、重いブラウン管テレビをなんとか自分のクルマに積み込んで処理業者へと向かいます。
事前にネットで場所は調べてあったので、マップを頼りに進んで意外とあっさり到着しました。

処理場の入り口にある事務所で、
「すでに郵便局でリサイクル料金は納入済みなので、テレビの引き取りをお願いしたい」
旨を告げると、係の方が対応してくれました。

ここで、最後の関門が待ち構えています。
あのよく分からない「収集・運搬料金」とやらです。

恐る恐る尋ねてみると、「1台につき4500円です」と告げられました。
ある程度は覚悟していましたが、やはり高かった…リサイクル料金よりも遥かに高い。

とは言っても「それは高すぎるので帰ります」とはさすがに言えません。
財布からなけなしのお金を取り出して渡そうとすると、さらに衝撃の一言。
「消費税も別途いただきますので」
敗北感たっぷりのゴングが心の中でむなしく鳴り響きます。

郵便局での支払い票を渡して、何やら照合作業が行われます。
全ての確認が済んだら、領収証を発行してもらって今回の処分は終了です。

事務所を出ると、なんだかよく分からない疲れがどっと押し寄せてきました。

まとめ

環境保護のためにリサイクル費用を使用者が負担することについては何も異存はないのですが、
そのための仕組みがあまりにも複雑・煩雑すぎて、現実的ではないことには本当に驚かされました。

まず、費用が「リサイクル料金」と「収集・運搬料金」の二本立てとなっていて、それぞれがバラバラに運用されている点が非常に分かりづらくて非効率だということです。
しかも、「収集・運搬料金」のほうには明確な基準がなく、店舗や業者の「言い値」で設定できしまうのは大きな問題です。

さらに、現行の制度では、購入店での引き取りが前提であって、それ以外の場合は本人自らが搬入することが求められます。
これでは高齢者や自家用車を持たない方がテレビなどを処分するにはハードルが高くなりすぎです。

そこで例えば、宅急便やゆうパックを使った引き取りでの回収を可能にすべきです。
支払いも、宅急便やゆうパックの料金に含めることで簡便に徴収できるような形が望まれます。

今回、テレビ1台処分するのに合計で7000円以上かかってしまいました。
ちょっと高すぎますが…色々な意味で勉強代だったと思うことにしておきます。

タイトルとURLをコピーしました