皆さんは「ソーラーチャージャー」をご存じでしょうか?
折り畳み式のソーラーパネルにUSBの充電ポートが付いているもので、最近ではキャンプや山登りに持ち出して、電源を確保するのが難しい場所で特に重宝されているアイテムです。
私はこれを「自宅」で使って、スマホやノートパソコンなどのモバイル機器の充電に使用して、モバイル電源に関しては、ほぼ「自給」しています。
とても便利で有能なアイテムですので、導入を検討されている方がおられましたら、ぜひ私の使用状況を参考になさってください。
きっかけは災害対策から
私がソーラーチャージャーを導入しようと思ったそもそものきっかけは、別に太陽光で自宅の電力を全部賄おうとかいう大それたものではありません。
それは、単純に「災害時の停電対策」としてでした。
私の住む地域は、地震はさほど起こりませんが、大雨や台風の被害に見舞われることが多く、その後に大なり小なりの停電が発生することがありました。
災害時の停電で困るのは、「夜間の照明」と「モバイル機器の充電」です。
これらは、そこまで大容量の電源はいらないものの、かといってそれなりの数の乾電池を常備・管理しておくのも大変です。
台風の通過後は、前日までの荒天がウソのように穏やかに晴れ渡ります。
なのに、風雨で電線が切れてしまい終日ずっと停電、ということを何度も経験してきました…
そこで、電池や電源を常備するのではなく、この太陽光から「電気を作り出す」ことができれば、災害時にかなり役に立つのではないかと思ってソーラーチャージャーを購入しました。
試しに使ってみたら、意外と充電できた!
本当に使えるのか?
実際にソーラーチャージャーを購入しようと思って、通販サイトの購入者レビューを見てみると、評価や意見は本当にバラバラでした。
「きちんと充電できる!」というものから、「全然充電できない…」という意見まで賛否両論入り乱れていて、果たしてどれを信用すればよいのか分かりません。
それでも、一つ一つ商品を丹念に見比べていって、比較的評判が良いものを「お試し」のつもりで購入してみることにしました。
選んだのは、4枚パネル、発電量28Wの製品でした。
さっそく試運転
購入したのは冬が終わった3月でしたので、日差しの良い日を選んで充電の試運転をしてみました。
手持ちの10000mAのモバイルバッテリーに接続して、できる限り日差しにまっすぐ当たるように角度を調整して、午前中のベランダに放置です。
午後になって、少し角度を調整してから再び放置。
夕方になって日が陰ってきたので、室内に取り入れて、モバイルバッテリーのゲージを確認すると…
見事に「満タン」でした!
まだ春の段階でこれだけ充電できれば立派なものです。
試運転としては大成功、十分に使用に耐えられそうだと分かりました。
せっかくなので日常使いすることにした
モバイル機器の電源をソーラーチャージャーだけで賄う
試運転が思いのほか上手くいったので、ここである考えが浮かびます。
それは、ソーラーチャージャーを災害時だけでなく、日常生活で使用しているモバイル機器の充電にも使ってみようということです。
こんなに「使える」ものを、災害時のためだけに温存しておくのはもったいない!
ここで、私が普段使用しているモバイル機器(USBで充電するもの)は、以下の通りです。
- スマートフォン
- 8インチタブレット(主に動画視聴用)
- 11インチのノートパソコン(サブ機として使用)
スマートフォンとタブレットがそれぞれ4000~5000mA程度、ノートパソコンが7000~8000mA程度のバッテリー容量です。
これくらいならば、毎日フル充電する必要もないため、ソーラーチャージャーが生み出す電力だけで十分に回していけるだろうと踏んだわけです。
ポイントは「モバイルバッテリー」との併用
ソーラーチャージャーを購入するにあたって、様々な購入者レビューを読み漁っていた時に気づいたことなのですが、「全然充電できない」と嘆いている方の多くが、チャージャーを直接モバイル機器に接続しているケースでした。
逆に、「充電できる」と評価されている方は、いったんモバイルバッテリーに充電してから、改めてモバイル機器に電力を分配しているケースがほとんどでした。
これについては、太陽で発電される電流は日差しの強弱によって大きく変化するため、直接モバイル機器に接続すると「保護機能」が働いて、充電がストップしてしまうためではないかという意見が出されていました。
それを参考にして、私もいったんモバイルバッテリーに充電してからモバイル機器に分配する方式を採用しましたが、おかげさまで特に充電が止まったりすることも無く運用できています。
最初は、10000mAのモバイルバッテリーひとつで始めましたが、それだけではすぐに満タンに充電できてしまうため、急遽20000mAのものを買い足して、併用して使っています。
LED電気スタンドなどにも使用して大活躍!
電気スタンドをモバイルバッテリーで灯す
モバイル機器以外で思わぬ効果があったのは、USB電源タイプの「LED電気スタンド」です。
最初は、照明に関しては電力を食いそうなイメージがあったので、災害時以外の使用は考えていなかったのですが、試しにUSB接続タイプのLED電気スタンドにモバイルバッテリーをつないで使用してみたところ、これが予想外の大当たりでした!
LEDの電気スタンドは思ったよりも電力を消費せず、かなりの長時間使用できたのです。
10000mAのモバイルバッテリーで、5~6時間使用しても、残量ゲージは半分も減りません。
これまでは、夜間に自室でPC作業をする場合は、部屋全体を蛍光灯で照らすことが多かったのですが、これを機に、デスクの周辺だけをLEDスタンドで照らす形に切り替えました。
それ以後、自室の蛍光灯を使用したのは、本当に数えるほどです。
正直言って、ソーラーチャージャーを導入することで「電気料金の節約になる」とか「元が取れる」とは全く考えていなかったのですが、このLEDスタンドの使用は思ってもみなかった省エネと電気代の節約につながる形になりました。
夏場はUSBミニ扇風機にも活用
日差しが強くて豊富に充電できる夏場は、USB電源タイプの卓上用ミニ扇風機にもソーラーチャージャーで発電した電力を使っています。
こちらはモーターを使用している機器のためか、LEDスタンドよりもバッテリーの消費はやや激しいです。
それでも、PC作業をしながら、緩い風を顔に当て続けていれば涼しく、エアコンの設定温度をあまり下げなくてもよいので、それなりに省エネと節電に役立ってくれています。
季節と天候に影響を受けるのは仕方のないこと…
春から秋にかけてはフル稼働
季節的なことで言えば、3月から10月くらいにかけては、晴れてさえいれば、ほぼ全力で発電してくれます!
私の持つ28Wタイプの製品で、モバイルバッテリーをフルに充電にかかる時間は、快晴の日で、以下の通りです。
・【10,000mAのモバイルバッテリー】 約4時間
・【20,000mAのモバイルバッテリー】 約8~9時間
基本的には、起床してすぐにベランダにソーラーチャージャーを設置して、そのまま放置して仕事に出かけて、夕方に帰宅するとほぼ満タンに充電されている感じです。
夏場の休日などは、午前中だけで10,000mAのほうが満タンになるので、昼前から20,000mAのほうに付け替えて半分ほど満たすようなパターンもよくあります。
正直、夏場は使い切れないほどの電気を生み出してくれます。
冬場はやはり弱点です
問題は冬場です。
11月半ばくらいまではなんとか頑張って発電してくれますが、日射量の落ちる12月~翌2月にかけては、夏場のようなフル稼働は望めなくなります。
とは言っても、全く発電できないわけではなく、冬場でも天気の良い日は弱々しくもジワリジワリと頑張って発電してくれます(大体、夏場の三分の一くらいの発電スピードに落ちます)。
こんな感じでも、スマホの充電くらいならば十分に賄うことができます。
基本的に、この冬場の約3ヶ月は「少しでも充電できればラッキー!」くらいの気楽な心構えで乗り越えます。
雨の日はおとなしく諦めることも必要
残念ながら、雨の日、あるいは曇天の日はほとんど発電はできません。
この点が不便だと思われる方は、モバイルバッテリーの数を増やすなどして、天気の良い日に電力を「備蓄」しておくと良いかもしれません。
とはいえ、なにせ太陽まかせ・天気まかせのエネルギーですから、ここは致し方ないところです。
おおらかな気持ちで付き合っていくことが重要かもしれません。
まとめ
今回は、ソーラーチャージャーを活用する方法について、私の使用経験をもとに書いてきました。
季節的な弱点もありますが、ソーラーチャージャーとモバイルバッテリーを組み合わせることで、自宅のモバイル機器や電気スタンドなどのモバイル電源をほぼ「自給」することが可能です。
また、災害などの際の停電時には、頼もしい存在として活躍してくれます。
省エネ・エコであり、いざという時にも役に立つソーラーチャージャーは、かなり「使える」アイテムです!
今回の内容が、導入を考えておられる皆さんの参考になれば幸いです。