旅行の荷物で一番かさばるものと言えば、やはり「衣類」です。
身軽な旅を目指す者としては、無駄な衣類は一枚たりとも持って行きたくないものです!
そこで役立つのが、ホテルの部屋で自分で衣類を手洗いしてしまうテクニックです。
今回は、旅行先のホテルの部屋で衣類を手洗いする方法や便利グッズについてご紹介します。
皆様が少しでも荷物を減らした身軽な旅行を楽しめるようなヒントになれば幸いです。
【準備編】手洗い洗濯を成功させるための下準備
【準備①】衣類の素材選びから考えてみる
旅行先での手洗い洗濯をうまくいくようにするためには、ちょっとだけ事前に下準備したり、予備知識としてアタマに入れておいたほうが良いことがあります。
まず知っておかなければならないが、あらゆる衣類を完全に手洗いするのはかなり難しいということ。
正確に言うと、洗うこと自体はできるのですが、それを「乾かす」ことのほうが何倍も難しいのです!
特に綿100%素材のものはどうしても乾きにくいのです!
例えば、ズボンや厚手の綿のシャツを翌朝まで完全に乾かすのは、かなり至難の業です。
まずは「乾きやすい素材」を選ぶ
そこで、旅行に行くにあたってはそもそも「乾きやすい」素材を選んでおけばよいのがベターです。
最も乾きやすいのは、ポリエステル素材やその混紡、またはメッシュ地になっているものです。
こういった素材は、スポーツ用品やアウトドア用品の扱いになっていることが多いです。
ネット通販では、「ドライ」とか「速乾」というキーワードで探せば、意外と簡単に見つかります。
特に夏場にオススメなのはドライのポロシャツです。
旅先のホテルの館内着から、食事などのちょっとした外出まで万能にこなしてくれます。
また、私の実体験からすると、一番乾きにくいのは靴下です!
他の衣類は乾いたのに、綿の靴下だけが生乾き…という苦い経験が何度もあります。
そんな靴下も、スポーツ用品や登山用品としてちゃんとドライ仕様のものが販売されています。
【準備②】洗剤選びは色々と考える必要アリ
さて、実際に旅行先で衣類を手洗いするために必要なのが洗濯用洗剤ですが、家庭の洗濯機での洗濯とは色々と勝手が違うので、事前に対策が必要です。
最もよく知られているのが、袋に小分けパックされた粉末タイプですが、実際にジップ袋で洗濯するにはやや量が多くて余らせてしまいもったいないのが難点です。
[軽さとコンパクトさ優先]
そこで、粉末洗剤の進化系としてとても軽くて便利な洗濯シートタイプがあります。
元々コンパクトなうえに、必要な分だけ「ちぎって」使えるので無駄がありません!
(※粉末洗剤扱いなので、国際線の飛行機内にもそのまま持ち込めます)
[多様用と堅実さ優先]
固形石鹸のタイプも旅行に向いています。
必要な分だけ切り分ければ、石鹸丸ごと持って行かなくていいので軽量化できますです。
完全な「固形」なので、旅先での管理のしやすさと用途の広さでは一番ラクかもしれません。
(※もちろん、国際線の飛行機内にもそのまま持ち込めます)
オススメは、洗濯だけでなく洗顔やボディ洗い、さらには食器洗いなど12の用途に使えるというその名も「マジックソープ」です。これ1個で「洗う」関係がほぼ全て達成できてしまう優れモノ!
[使い勝手優先]
また、チューブ入りのペーストタイプの旅行用洗剤なんてものもあります。
洗濯物の量に応じて、必要な洗剤の量を自由自在に調整できるので最もジップロック洗濯向け!
洗濯だけの用途なら個人的にはこれが一番オススメです。
(※容量100ml以下ならば、化粧品などと同じルールで国際線の飛行機内にも持ち込めます)
液体洗剤系は旅行には不向きです
ところで、液体洗剤が小分けパックされたタイプや、いわゆる「ジェルボール」といった製品もありますが、液体系のものは「旅行用としては」あまりおすすめしません。
旅行中に液体を管理するのは結構大変で、常に「漏れる」という危険性がつきまとうからです。
バッグの中で他の荷物に圧迫されて洗剤パッケージが破れたり、ジェルボールに至っては「破裂した」なんて話も聞きます。
漏れたり破裂したりしてキャリーバッグの中が洗剤まみれになると、後始末も大変ですし、せっかくの旅行のテンションもダダ下がりになってしまいます。
ボディーソープはあくまでも応急手段…
1泊や2泊程度の短い旅行であればホテルのバスルームに備え付けのボディーソープで代用するのというのもひとつの手だと思います。
個人的な経験則で言えば、1~2回くらいの洗濯であればボディーソープでもギリギリだと思っています。正直、私も1泊の弾丸旅行ならボディーソープを使ってその場をしのぐことはあります。
しかしながら、それ以上の泊数・回数になると蓄積した脂汚れを完全に落とすのは難しくなります。
さらに、洗濯を重ねると部屋干し特有のニオイも次第に気になってきてしまいます。
ですから、ボディーソープを使うのはあくまでも「応急的な手段」と考えてください。
【実践編①】旅の万能品「ジップロック」で揉み洗い
旅先のホテルでの手洗い洗濯を劇的に楽にするのが「ジップロック」のようなジップ付きの袋です。
手も汚さず、何か別のことをしながらでも洗濯できてしまう魔法のアイテムです!
別に、御本家ジップロックでなくても、スーパーや100均で売っているような「食品保管袋」や「フリーザーバッグ」でも十分ですが、万が一洗濯の途中で袋が破れてしまうと大変なことになるので、なるべく強度のある丈夫な製品を選んでください!
残念ながら、製品によっては明らかに素材が薄かったり、ジップ部分の強度が不足しているものがあるので見極めが必要です。もし迷ったら…御本家ジップロックにしておけば不安は少ないでしょう。
袋のサイズのサイズに関しては、「大は小を兼ねる」で、大きめのほうが便利です。
そうすれば、洗濯用だけでなく、衣類の圧縮袋としても使えるので旅行グッズとして一石二鳥です。
また、ジップ袋と洗剤がセットになった便利な商品もあります!
これはかなり上手くできた製品で、袋自体にジップとは別の「すすぎ口」が付いているので、すすぎ作業が格段に楽になります。
実際にジップロックを使って洗濯する方法
それでは、実際にジップ袋を使って、衣類を簡単に手洗いする方法を見てみましょう!
- STEP 1ジップ袋に衣類を放り込んで、洗剤(またはボディーソープ)も投入
- STEP 2衣類全体がやや浸るくらいに「ぬるま湯」を注ぐ
→洗剤の溶け残り防止や、脂汚れを落とす効果を考えてぬるま湯がベター!
→汚れがひどい場合は、そのまましばらく「つけ置き」するのも効果的。 - STEP 3ジップをしっかりと閉じて、袋ごとモミモミと揉み洗い
→入浴時にバスタブに浸かりながら、暇つぶしがてらにモミモミするも良し。
→シャカシャカと振る「シェイク派」の人もいます。
→2~3分も揉み続ければ十分です。 - STEP 4ジップの端を少し開けて、中の汚れた水を捨ててから、再びぬるま湯を追加して袋ごとモミモミ
→また汚れた水を捨てて…と同じ作業を3~4回繰り返します。
- STEP 5最後にジップを少し開けて、しっかり水捨て・水切りをします
→口を少し開けて、浴槽内に逆さに立ててしばらく置いておくと楽チンです。
→これで手を汚すこともなく、簡単に洗い~すすぎまでが完了です。
この方法を使えば、洗剤に直接触れることもないので手を汚す心配もありません。
ただ、旅先で手早くかつしっかりと洗濯するためには色々と準備やコツがあるのです。
海外旅行や長期旅行にはこんな強力グッズもおススメ!
ところで、国内の短期旅行であればこのようなジップ袋での洗濯で十分にまなかうことができますが、
・「海外旅行の旅先でもコインランドリーなどに頼らず手洗い洗濯したい!」
・「長期の旅行なので、もっと本格的にガッツリと大量に手洗い洗濯したい!」
という上級者には、「世界最小の洗濯機」の異名を持つ「スクラバ」という手洗い洗濯専用の便利グッズがあります。つまりは『手洗い洗濯専用の恐ろしく丈夫な袋』です!
定番のTシャツや下着はお手の物で、重くかさばって洗いにくい厚手の綿のシャツや、手洗い洗濯界最強の難敵であるジーンズなんてものまで洗えてしまうのです!
洗濯事情の良くない海外の国々を旅行(または出張)される方や、数週間や月単位での長い旅行で洗濯代を節約したい方にとっては、前述の「マジックソープ」と組み合わせて持って行けば、かなりの強力な洗濯グッズとして活躍してくれそうです。
【実践編②】脱水はバスタオルで「タオルドライ」
「ぞうきん絞り」は厳禁
すすぎが終わった衣類の脱水にかかりますが、ここで絶対にやってはいけないことがあります。
それはいわゆる「ぞうきん絞り」です。
ギュっとひねって絞れば水分を捻り出せそうですが、これでは衣類の生地が痛んでしまいます。
私は過去にうっかりこれをやってしまい、Tシャツがビロ~ンと伸びて着れなくなりました。
そこで、まずは予備段階の脱水としては「ひねる」のではなく、「ボール状に固めてギュっと握って」少しずつ脱水します。このやり方なら、生地が傷んだり伸びたりするリスクは少なくなります。
バスタオルを活用して脱水!
そして脱水の仕上げとして登場するのが、ホテルの客室なら必ず用意されているバスタオルです。

- STEP 1バスタオルの上に軽く水気を切った衣類を広げます。
- STEP 2バスタオルと衣類をぐるぐると「ロール状に巻き込み」ます。
- STEP 3出来たロールを、押したり、揉んだりして水分をバスタオルに移動させます。
→脱水というよりは、「水分を移し替える」という感覚がコツです!
→上から踏んで脱水するという猛者もいるようです… - STEP 4いったんロールを解いて、バスタオルと衣類を裏返して、再びロール脱水。
- STEP 52~3回繰り返したら、ロールを解いて衣類を取り出して脱水完了!
→あとはハンガーなどにかけて乾燥に回すだけです。
これらの作業をきちんと行って脱水すれば、Tシャツや下着類などのたいていの衣類は一晩で乾いてしまいます。
バスタオルが足りない問題を水泳用セームタオルで解決!
ここでちょっと問題になるのが、大抵のホテルではバスタオルはきっちり人数分しか部屋に用意されていないため、入浴のためにバスタオルを使ってしまうと、洗濯用のタオルドライに回せなくなってしまうということです。
そんなときの強い味方が、水泳用の速乾タオル「セームタオル」です!
これを旅行用の荷物に忍ばせておけば、洗濯物の脱水専用タオルとして活用することができます。
この手のタオルの良いところは、たとえ水分を含んでも絞ればあっという間に乾いて何度でも使用できることです。これならば、タオルの枚数を気にすることも無く何度でも洗濯物のタオルドライが可能になります。
【実践編③】洗濯物を上手く乾燥させるコツは3つ!
[乾燥のコツ①] 浴室ではなく「客室」に干しましょう

ホテルによってはバスルーム内に洗濯用のひも(あの引き出してビヨ~ンと伸びるやつ)が設置されている場合があります。
しかし、浴室内はそもそも湿気が溜まりやすい環境なので干すのはおススメしません。
また、ホテルの中には、浴室の換気扇のパワーが貧弱なところが結構あります…
浴室にかけておいたバスタオルが、翌朝になっても全然乾いていない、という経験をした人は多いのではないでしょうか。
その意味では、洗濯物は浴室ではなく、客室で干したほうが圧倒的に乾きやすいのです!
よく考えると、ホテルの客室と言えばパリパリに乾燥する場所の代表選手なのですから。
また、洗濯物を干しておけば、加湿器代わりに室内の乾燥を防ぐ効果も得られて一石二鳥です!
[乾燥のコツ②] エアコンの風を絶えず当て続ける

ホテルの客室内はとても乾燥するので、洗濯物を干すのには確かに格好の場所なのですが、単に客室に干しただけでは、思ったほど早くは乾いてくれません。
そこでもうひと工夫、「エアコンの風」を活用します!
バスタオル脱水が済んでハンガーにかけた洗濯物は、エアコンの風が直撃する場所に吊るします。
ここでポイントなのは、別に「強風」でなくてもよいということです。
緩やかな微風でもよいので、絶えず風を当て続けて、洗濯物の「周囲の空気を動かす」ようにします。
すると、たとえ弱くても絶えず風が当たることで衣類に残った水分が気化し、乾燥が促進されます。
頃合いを見て、風が当たっている面が乾いてきたら、裏面に返してまんべんなく風を当てるようにするとムラなく完全乾燥できます。
最近では、最初からエアコン本体に引っ掛けて、出てくる風を無駄なく使えるようにしたアイデアグッズまで登場してきました。この商品を考えついた人、ハッキリ言って偉いです!
また、ホテルの客室の構造上、どうしてもエアコンの風が当たる場所に洗濯物が干せない場合は、「空気清浄機」の風を下から当てる方法でも代用できます。
【乾燥のコツ③】 ハンガーが足りない問題を考えておく
ホテルの部屋で洗濯物を乾かすとき、地味に困るのが「ハンガーの数が足りない」問題です。
シンプルなビジネスホテルの場合、備え付けのハンガーが2本だけということがよくあります。
これだと、Tシャツと下着類を干すのが精一杯で、「せっかく洗ったはいいけど全部は干せない!」という残念な場面にぶち当たることがあります。
そんなときは旅行用の折り畳み式ハンガーを用意しておくと非常に便利です。
この手のハンガーの良いところは、ピンチを内蔵しているので靴下を干すのにピッタリなのです!
もちろん、移動中の乗り物の中で上着を掛けておくという本来の用途でも大活躍してくれます。
まとめ
旅先に持って行く荷物を減らす方法のひとつとして、この手洗いは非常に有効な方法です。
必要最小限の衣類を、必要最小限の水と洗剤だけで洗うのでエコであるとも言えます。
ジップ袋を使って手洗い洗濯することの最大の利点は、「何かのついでにできる!」ということ。
そして、洗剤に直接触れることもないので手を汚す心配も無いということ。
湯舟に浸かりながらでも、テレビを見ながらでも、翌日の旅行日程を確認しながらでもOKです。
とにかく手間は最小限に抑えて、時間は最大限に活用しながら洗濯ができてしまいます!
また、共用設備であるコインランドリーの使用を衛生上の不安からなんとなく躊躇する方もいるかもしれません。その意味では、すべてが部屋の中で完結できてしまう手洗い洗濯はとても理にかなっています。
これまで「ホテルの部屋で手洗いなんて貧乏くさい」とちょっと敬遠されていたような方でも、
一度やってみると意外と簡単で、その便利さに驚かされるかもしれません。
今回の内容が、皆様の身軽で快適な旅行の役に立ってもらえたら嬉しい限りです。
【おまけ】
ジップロック(ジップ袋)は野外音楽フェス(夏フェス)でも役立つ万能アイテムだという記事を書きましたので、ついでにご覧いただけたら幸いです。