「テールメイト旅」とは、とても小さなバッグひとつで出かける身軽な旅の総称です。
できる限り荷物を減らしてミニマムな、身も心もそして予算も身軽な旅のことを勝手にそう名付けて呼んでいます。
私が愛用しているのがグレゴリー社のヒップバッグ「テールメイト」です。
これひとつを肩にひょいと掛けてどこへでも気軽に出かけます。
というわけで「テールメイト旅」なのです。
テールメイトって何?
テールメイトとは米グレゴリー社が販売している定番ヒップバッグです。
販売開始からなんと30年以上も世界中で愛され続けているロングセラー!

サイズ的には何種類かありますが、私の愛用する「テールメイトS」の容量は8リットル。
その重さもわずか400グラムほどです。
一般的な機内持ち込みできるサイズのキャリーバッグが30~40リットル。
よく学生さん達が通学で背負っているリュックサックが20~30リットル。
これらと比較すると容量が桁違いに小さいことが分かります。
また、このテールメイトの特徴のひとつにその質実剛健さがあります。
丈夫なコーデュラナイロン素材に、頑丈なYKK製の大型ファスナー。
そしてグレゴリーのシンボルともいえる茶色のゴツい革製ファスナータグ。
そう簡単に破れたり壊れたりするような心配はありません。
本来の用途はヒップバッグですが、肩に斜め掛けすれば驚くほど軽快に身動きすることができます。
こんな小さなバッグですが、知恵と工夫を凝らせば心強い旅の相棒になってくれます!
わずか容量8リットルですが、いざ使ってみれば魔法の8リットルに感じますよ。
ミニマムで身軽な旅のメリット
旅先にて、重い荷物を抱えたまま現地の空港や駅に到着してまず考えることといえば、
「この荷物を持ったまま目的の観光スポットまで行けるのか?」
「では荷物を預けるとしたら、コインロッカーを探さなければ…」
「預けた荷物をピックアップするためには何時までに戻ればいいのか?」

つまり、本来なら旅そのものを楽しむために使うべき労力と時間が、荷物管理という副次的なことに費やされてしまいます。
せっかく旅行に来たはずなのに「荷物の管理係」をやる羽目になるなんてもったいないですよね。
また、旅行に持って行った荷物のうち半分以上は結局使いません。
これは旅行後に荷解きをやりながら確認してみれば痛感します。
「なんでこんなものまで持っていってしまったんだろう…」と思うことが大半です。
ちなみに荷物の重量でいえば、私の経験上では荷物が2kgを切ると驚くほど軽快に感じてきます。
この重さなら肩に斜め掛けしていても背負っているのをつい忘れてしまうほど、ほぼ手ぶら感覚です。
その状態で混み合う空港や駅をスタスタと軽やかに歩いていくのは本当に爽快なものです。
キャリーバッグやリュックではダメなの?

キャリーバッグはとても便利ですが、「いつも楽チン」とは限りません。
どうしても駅の階段や大きな段差を越える際などで不定期に抱え上げる作業が必要です。
また、飛行機の機内でキャリーバッグを抱え上げて座席上の荷物入れに押し込むのも大変な作業です。
私はというと…そんな様子を横目に見ながら涼しげな顔で前の座席の下にテールメイトをポンと置いて3秒で着席完了です!
さらに、キャリーバッグは安全面で不安が残ります。
以前に駅のエスカレーターで大きなキャリーバッグが落下して、あやうく大惨事になろうかという場面を目撃したことがあります。そういった光景を実際に見てしまうと、一歩間違うとそれ自体が凶器になりうるキャリーバッグを使うことには躊躇してしまいます。
リュックサックやバックパックも便利ですが、ちょっとだけ惜しいツールです。
背中に触れる面積が広い分、どうしても「背中が蒸れる」という宿命から逃れられません。
私のような汗かき体質の人間にとっては、これは夏場を中心にかなりシビアな問題となります。
さらに、それなりに造りのしっかりしたリュックは本体重量だけでゆうに1kgを超えていたりします。
テールメイトと比較すると600gほどの差ですが、確実にデッドウエイトになります。
旅先で背負ったまま一日中動き回るとなると、じわじわと体力を奪っていってしまうのです。
テールメイトひとつでライブ・フェス遠征

私の旅行の主な目的にひとつに「ライブ遠征」があります。
東京や大阪などにコンサートやライブを見に行く場合は基本的に1泊から2泊程度なので、まさにテールメイトで事足ります。
極端な話、着替えのTシャツとタオルとスマホだけを入れていけば十分ですからね。
そしてなによりコインロッカーに荷物を預ける必要もなく、そのまま会場に直接インできるのが最大の利点です。スタンディングの会場では斜め掛け状態をくるりと前に回して抱え込めば、周囲の人への邪魔になることも抑えられます。
さらにその延長線上で、野外音楽フェスにもテールメイトひとつで参戦しています。
自宅をテールメイトひとつで出発して、その身のまま現地入りしてオールナイトで会場を駆け回り、そのまま無事に帰宅します。
また、こういった野外の場では特にテールメイトの持つ頑丈さが遺憾なく発揮されます。
スタンディングエリアでもみくちゃにされても、レジャーシートエリアで枕代わりに使ってもビクともしません。
テールメイト旅の限界に挑戦したい
テールメイトがその威力を発揮するのは基本的に2泊から3泊程度の比較的短い旅行です。
ただ、私の個人的な最長記録としては、冬の北海道1週間の旅に使用しても全然平気でした。
着替えを減らした分、ホテルでまめに洗濯するなどそれなりの工夫をすれば活躍してくれます。
基本的に国内旅行であればテールメイトだけで十分に事足りるのではないでしょうか。
また、海外旅行にテールメイトひとつで行こうと企てたこともあります。
このときは荷物の容量的には可能でしたが、他に諸事情あって断念してしまいました。
いずれまた、テールメイトを海外へ連れ出すことに挑戦してみたいとは思っています。
ひとりひとりの身軽な旅
「テールメイト旅」と勝手に名付けて呼んでいますが、要は自分が気に入った軽量コンパクトなバッグならなんでも良いのです。
それぞれの旅人が自分なりの愛着ある「旅の相棒」を見つけて、心ゆくまで旅を楽しんでほしいと思います。
一度小さなバッグひとつの身軽な旅に出てみれば、その軽快さ・爽快さのとりこになることは間違いなしです。