ライブやコンサートに行くなら、ライブ用の『耳栓』を持っていくことをおすすめします!
というのも、ライブ会場で強大な音量にそのまま耳がさらされると『急性音響外傷』という症状が出て、聴力に重大な影響が残る危険性があるからです。
今回は、筆者自身の経験も踏まえて、『急性音響外傷』への注意喚起と、それから耳を守るための『ライブ用耳栓』の使用についてご紹介します。
『急性音響外傷』を知っていますか?
なかなか聞き慣れない病名ですが、ライブやコンサートに行くことが多い人は常にこの危険性にさらされています。
急性音響外傷とは?
急性音響外傷とはどんな病気ですか?
強大な音にさらされることによっておこる難聴で、内耳の障害によるものです。ライブなどで大きな音を聞いた直後から、耳のふさがったような感じや、難聴、耳鳴りがするといった症状が出ます。
(一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会HP より引用)
楽しみで行ったはずのライブやコンサートで文字通り耳が「傷つく」危険性があることは、もっと世の中に周知されてほしいものです。
急性音響外傷の注意点
とりあえず、専門家である医師の方々の情報を要約すると、だいたい以下の二点になります。
- とにかく「すぐに」治療を開始することが重要!
- 受診や治療開始が遅れると完治しない可能性が高くなる!
「音響外傷」や「ライブ難聴」などで検索すると、たくさん耳鼻科医の先生方が急性音響外傷についての注意喚起をされておられます。
特に、急いで治療を開始しないと完治しにくいというのが恐ろしい点です。
※詳しい病状や治療法については、専門家の先生方の発信する正確な情報をご参照ください。
実は私も急性音響外傷の経験者なのです…
実は筆者自身も、とあるライブで大音量を浴びてしまい、急性音響外傷の疑いで通院した経験があります。

実録!急性音響外傷になってしまった
自身の恥をさらすようですが、簡単に経緯を記しますとこんな感じです。
- ライブハウスにて異常な爆音で鳴らす現場に遭遇
- 翌日になっても違和感(耳が塞がった感じと耳鳴り)が全く取れない…
- 仕事を早退して、慌てて近所の耳鼻科に駆け込む!
- 検査にて急性音響外傷の疑いアリで、即刻治療開始!!
- ステロイド剤と血流促進剤の集中投与、数週間の通院
- 再検査で「ほぼ回復」(※厳密には右耳が2~3%ほど聴力低下…)
私の場合は、あるミュージシャンが「突発性難聴」で治療開始が遅れて聴力を失った話を知っていたので、とにかく急いで病院へ駆け込みました!
(※「急性音響外傷」と「突発性難聴」は対応と治療法がほぼ同じだからです)
比較的早くに治療を開始できたので「ほぼ回復」できましたが、それでも右耳には若干の違和感が残ったままです。
とにかく「音響外傷」は怖いです、ナメてはいけません!!!
耳鼻科医から言われたこと
治療を終えるにあたり、お世話になった耳鼻科の先生からは次のようなことを言われました。

ライブに行くなとは言わないが、次の点だけは絶対に守ってほしい!
- ライブでは『耳栓』を使用する!
- スピーカー(PA)の近くには位置取りしない!
- 会場で耳に違和感を感じたら迷わず退場する!
- 日常ではインナータイプのイヤホンは使わない!
この言い付けをきちんと守っているので、おかげさまで現在でもライブ通いができています。
特に、『耳栓』に関してはライブでの必需品になりました!

というわけで、自分の体験をふまえて、急性音響外傷から耳を守るための防具である『ライブ用耳栓』についてご紹介します。
①シンプルなシリコン製ライブ耳栓
まずご紹介するのが、シンプルなシリコン製のライブ用耳栓です。
私が実際に使っているのはこのタイプです。
サイズの異なる3種類がセットなので、自分の耳の穴に一番フィットするものを使って、残りは予備用にスタンバイさせることができます。
取り出し用(引っ張り用)の突起が付いているので、着脱も簡単です。
なにより価格がお手頃なので、「初めてのライブ用耳栓」として試すのにピッタリと言えます。
②プロ仕様の本格派ライブ耳栓
次は、企画と制作に本物のプロのミュージシャンが関わった耳栓です。
この耳栓は、『凛として時雨』のドラマーであるピエール中野さんが監修したモデルです。
そのため、音質にこだわって聴こえる音域のバランスを保ったまま音圧を下げる仕様になっています。
また、激しいノリでも耳栓が外れ飛ばないようにストラップ付きで、さらにクリップでシャツに固定できるという念の入れようです。
こうしてミュージシャン側から観客側の耳に配慮しようという動きがあるのは嬉しいことです。
③ギミックに富んだ高機能型の耳栓
こちらは、実際のライブの現場で使うことを想定して色々な機能を盛り込んだ耳栓です。
耳栓をしていて地味に困るのは「耳の中に湿気がこもる」という問題です。
この耳栓には切り替えスイッチが付いていて、簡単に「密閉モード」と「開放モード」が切り替えられます。
曲間やMCの際には「開放モード」に切り替えて、耳栓を装着したままで耳の中の湿気を逃がせるという優れモノです!
また、こちらの耳栓もライブに外れないようにストラップを取り付けることができます。
まとめ
ライブやコンサート会場では、観客の耳は思ったよりも過酷な環境に置かれています。
特に、強大な音量に耳がさらされると、『急性音響外傷』を患う危険性もあります。
ライブ好きの皆様には、まずはそんな危険があることを認識していただきたいと思います。
さらに、身を(耳を)守るための備えとして『ライブ用耳栓』を活用していただければ幸いです。