久しぶりに夏の音楽フェスに参戦することになって、SNSなどで色々と情報収集をしていたのですが、例の世界的な状況による中断期間があったためか「夏フェスは初めて!」「何を持って行けばいいの?」という声をかなり多く見かけました。
普段はホールやアリーナなどでのライブに慣れている音楽ファンでも、野外でのフェス、特に夏フェスとなれば勝手が違ってきます。
いわゆる野外フェスガチ勢なら「常識」であることも、夏フェス初参戦の初心者にとっては分からないことだらけです(※私も初めて参戦したときは本当に苦労しました…)。
そこで今回は、過去に野外フェスに参戦してきた私の経験から、特に『会場でこれがあると助かる意外なモノ』にスポットを当ててご紹介したいと思います。
ジップロック(ジップ袋)
当ブログをご覧の方なら「またジップロックかよ!」とさまぁ~ず三村ツッコミを入れたくなるでしょうが、はい…ここでもやっぱり最高最強ジップロックです!
※別記事でジップロックを使って旅先のホテルで洗濯をする方法をご紹介しています(もちろん夏フェス遠征でも役立ちますよ)。
①ジップロックを「フェス会場用財布」にしてしまえ!
野外フェス会場で財布を取り出す場面は、基本的に「フードやドリンクを購入する」か「アーティストグッズを購入する」くらいに限られます(※実際は前者がほとんどですね)。
そのためだけにクレジットカードや身分証明書などまで入った「普段使いの財布」をいちいち取り出すのは面倒ですし、何より紛失や盗難のリスクが高まります。
それならば、「フェス会場用財布」を別に用意すればよいのです…それがジップロック!
具体的には小さめのジップ袋に、
・最低限のお札(多くても数千円程度)と小銭
・交通系ICカードなどの電子マネー
これだけを入れておけば、フェス会場内での飲食は十分にこなせます!
特に、最近は野外フェスのフード出店でも電子マネーが使えることが多くなってきたので、どうしても現金払いのみのお店以外では、電子マネーで支払ったほうが圧倒的にラクです。
ジップ袋の口を開けることすらなく、袋に入れたまま「ピッ!」と会計ができてしまいます。
フェス会場内での少額で雑多な決済はこのジップ袋財布に任せて、身分証明書やクレジットカードなどの貴重品が入ったガチ財布は、リュックやバッグの奥底に厳重に保管しておくのが安全です。
②ジップロックは優れた防水グッズ
天候に恵まれたら最高の野外フェスですが、残念ながら雨に降られることも多いのです。
実際、私が参加した2018年のRISING SUN ROCK FESTIVAL(RSR)では丸々2日間が完全に雨でした。
原則的に会場内では傘が使用できない野外フェスでは、たとえ防水リュックでも出し入れの際に雨が侵入して、中に入れたものが濡れてしまうのが厄介なのです。
特に、
・着替えなどの衣類
・帰りの新幹線切符や航空券などの紙類
・モバイルバッテリーなどの電子ガジェット類
これらはいったん雨に濡らしてしまうと、その後のリカバリーが大変です!
そこで、リュックやバッグに収納する際にあらかじめジップ袋に小分けにして入れておけば、雨に降られてリュック本体が濡れてしまっても、中身だけはしっかりと無事なのです。
また、雨の野外フェスで一番現実的なジップ袋の役割は、簡易的な「スマホ防水ケース」として使用することです。
もちろん、専用の防水ケースも市販されていますが、それらよりも遥かに安価で手軽に雨の中でスマホが使える環境が実現できてしまいます。
(※お風呂でジップ袋にスマホを入れて使っている人なら、この便利さはよく分かるはず!)
③ジップロックを「防臭袋」として使う
夏フェス会場で汗だくになって、途中でTシャツなどを着替える人は多いと思います。
問題は、その汗まみれの脱いだ衣服は家やホテルに帰り着くまでずっとリュックに入れたままです。
まあ、単刀直入に申しますと、リュック内に汗臭いニオイが充満して困るわけです…
そこで、ジップ袋の出番です!
ジップ袋の素晴らしいところは、ジップ付きなのでその密封性が高いことです。
脱いだ衣類や一日中使ってさんざん汗を吸い込んだタオルは、ジップ袋に入れてしっかりとジップで密封しておけば、帰りのバスや電車でも周囲に迷惑をかけること無く持ち帰ることができます。
「座れる」モノ
「座れる」モノって、つまり「イス」じゃないの?とまたまたツッコミが入って、さらに「音楽フェスといえばこういうカッコいいイスのことでしょ?」
と、追い打ちをかけられそうですが、残念ながらこれではありません。
今回ここで取り上げたい「座れる」モノとは…
・疲れたらその場であっという間に展開して腰を下ろせる
・コンパクトに収納できて、フェス会場を楽々と(人に迷惑をかけずに)移動できる
・そんなに高価ではなく、もし紛失・盗難にあってもダメージが少ない
そういうタイプのモノです。
その意味では、理想はこんな感じです!
コンパクトに折り畳めるし、バカみたいに軽量です。
歩き疲れたら適当にその辺でサッと展開してドカッと腰を下ろせます。
もし紛失しても安いので「まあいいか…」と思える気楽さもあります。
そこまでコンパクトさにこだわらなければ、こちらのタイプもあります。
また、「地面に座り込むのはイヤだ」という人や、「雨で地面が濡れている(湿っている)ときはどうするの?」という人には、超軽量コンパクトなチェアもオススメです。
重さがなんと350mlの缶飲料程度しかありません!
これなら、1分もかからずにサッと展開・収納できるので、しっかりと腰を下ろして休憩してから次のお目当てのステージに移動できます。
また、雨の中でもお尻を濡らさずに済みますし、フェス会場内だけでなく入場ゲートやシャトルバスの待機列で使っても便利です。
「横になれる」モノ
夏フェスガチ勢でもある漫画家の久保ミツロウ先生は、かつて夏フェス会場から自身のSNSで、
「横に~、横になり~たい ♪」
と切実な思いを呟かれておられました。
フェス会場で複数のステージを駆け巡って疲労困憊になったとき、一番手っ取り早く、そして確実に体力を回復させてくれるのは、とにかく短時間でも「横になる」ことです!
イスに座るだけでもある程度疲労は軽減されますが、やはり横になるのが最強です。
大体の大型野外フェスでは「レジャーシートエリア」が設定されていて、そこにシートを広げてゴロンと寝転がることができます。
また、木陰や日陰を見つけて、そこでしばらく横になって休憩している人もよく見かけます。
ここで活躍するのが、薄くても丈夫で、軽量コンパクトに折り畳めるレジャーシートです。
まず、とりあえず一人でサクッと横になるためだけであればこのサイズで十分。
要するに、上半身(背中)の面積だけでもカバーできれば横になることは可能です。
次は、全身をカバーしてもっとガッツリと横になれて、さらに荷物を置くスペースもほしいならこのサイズ。
やや小さいように見えても、対角線上に寝ればほぼ頭から足までカバーできます。
上記の製品の地味に良い所は、シートを固定する「ペグ」が内蔵されているということ!
会場の風が強い場合は、いとも簡単にシートがめくれあがったり、最悪の場合はシートごとどこかに吹き飛んで行ってしまうので、この点は意外と重要です。
もし、百均の安いレジャーシートやブルーシートを利用する場合は、ペグだけでも別途用意しておいた方が安心です。
(※ただし、金属製の鋭利なペグは飛行機の機内持ち込みができないのでプラスチック製がオススメ)
水分補給をラクにするモノ
夏の野外フェス会場で最も気を付けるべきことは、熱中症対策としての水分補給です!
体力に自信があるからとか関係ありません!
私も某夏フェスで熱中症になりかけた経験があるので、水分補給には細心の注意を払っています。
フェス会場での水分補給は、場内で購入したペットボトル飲料が主になるのですが、手に持ったまま移動するととにかく邪魔で仕方がありません。
そこで「ペットボトルストラップ」や「ペットボトルホルダー」が活躍してくれます。
以前は、ZEPP系列のライブハウスでドリンク引き換え時にもらえていた首や肩から掛けられるペットボトルストラップ(通称「ZEPPひも(初代)」)がシンプルで物凄く便利だったのですが、次第に形状が変わり、ついには配布そのものが終了してしまいました。
今でもネットで同じような形状のものを探すのですが、なかなか見つかりません。
代替品として軽くてシンプルな形状のものは、編み込み式のものがあります。
保冷能力を重視する場合にはこのタイプ(もともとは水筒用のケースです)。
基本的には肩や首から掛けるタイプがそのまま飲めて便利なのですが、腰やリュックに吊り下げるのがお好みの人には、超シンプルなカラビナ式もあります。
衛生面で快適になれるモノ
衛生面と言葉を濁していますが、具体的には「トイレ」のことです。
野外フェスに初めて参戦した人がまずショックを受けるのが、あの「仮設トイレ」でしょう。
「ノー水洗」
「ノーウォシュレット」
ここで初めて野外フェスの過酷さを思い知ることになるのです…
(※RSRではごく一部の仮設トイレが水洗ですが、やはりウォシュレットはありません)
そこで活躍するのが、「そのまま流せるおしりふきシート」です。
これなら、ウォシュレットが無い苦痛をある程度カバーしてくれます。
おススメは、ノンアルコールで肌にやさしい赤ちゃん用のシートです。
こういったシートの良い所は、トイレの用途だけでなく、汗拭きシートや体拭きシートとしても優秀なこと。
ノンアルコール、無香料なので敏感な人にも安心して使えます(なんたって赤ちゃん用ですから)。
(※ちなみに、オードリー春日さんはかつて風呂に入るのを節約するために、毎日こういった赤ちゃん用のおしりふきシートで体を拭いて済ませるという荒業をやっていました…)
足回り品
野外フェスは楽しさの反面、体力的にかなりハードです。
会場内の各ステージを巡っていくと、1日で信じられないのほどの距離を歩くことになります。
そして、足が完全に「ヤラレて」しまいます。
具体的には、足の裏が激痛に襲われたり、マメができてしまいます(※経験談)
そのため、野外フェス参戦では足をケアすることがかなり重要になります。
足裏を保護するインソール
足の裏の痛みを予防・軽減するために最も役立つのがインソールつまり靴の中敷きです。
自分が普段履いているスニーカーのクッション性がイマイチだと感じている人は、思い切って中敷きを交換してみるとウソのように快適に歩けるようになります。
百均などでも安く入手はできますが、やはり専門のスポーツメーカーの製品のほうが圧倒的にクッション性とホールド性が高くて快適です。
また、もう一つの重要なポイントとしては必ず「滑りにくい」素材のものを選ぶことです!
たとえクッション性があっても、滑りやすいものは靴下と擦れて熱を持ってしまいます。
これは、足の疲労を招くだけではなく、マメができる原因にもなります。
テーピングで足のマメ予防
というわけで、野外フェスで歩き回る参戦者を悩ませるのが「足の裏にマメができる」問題です。
恥ずかしい話ですが、私は初めて大きな夏フェスに参戦したとき、足の裏(厳密にいうと足の指、親指の付け根)をマメだらけにしてしまい、最後は見たいアーティストのステージを泣く泣く諦める羽目になった苦い経験があります…
そこで、次のフェスからは市販のテーピング用テープを使って足裏のマメができそうなところをあらかじめガードしておいたところ、ひどいマメはできずに快適に過ごすことができました!
テープ自体は色々なメーカーから出ていますが、選ぶポイントは、
・スポーツ用の表示があること
・手で切れること
の二点です。
スポーツ用でなく医療用を選んでしまうと、粘着力が弱かったり汗の水分に弱い場合があります。
また、「手で切れる」というのは地味に重要で、フェス会場内にはハサミなどは持ち込めないため、手で簡単に切れる製品ならば特別なツールを必要とせずにその場でサッと交換や巻き直しができます。