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【バリ得こだま】福岡~山口のお得な移動手段を比較【高速バス】

「福岡~山口をお得に移動」(背景は新山口駅の駅名標) 身軽な旅
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先日、知り合いから「福岡市内から山口市へ行く用があるので交通手段を調べてほしい」と頼まれました。

私は国内旅行業務取扱管理者の資格を持っているので、よくこのような調べ物を頼まれたり、プランを立ててあげたりします。

特に、この「福岡(博多)⇔山口」は、「福岡(博多)⇔大阪」「福岡(博多)⇔東京」といった移動のメインルートからは外れてしまっているために情報が少なく、どの移動方法が総合的に一番お得なのか分からないという悩みの声をしばしば聞きます。

そこで今回は、「福岡(博多)⇔山口」という、ニッチだけど実はそれなりに需要のありそうなこのルートの移動方法についてまとめてみましたので、ぜひ移動の参考にしていただければと思います。

JR九州では割引きっぷが無い「新幹線+在来線」

駅に停車中の新幹線の先頭車両
定番は山陽新幹線

まず最初に思いついて調べてみたのが、新幹線と在来線を組み合わせる定番のルートです。

①山陽新幹線 + 山口線(在来線普通列車) [正規料金、割引無し]

基本情報
  • [ルート] 博多駅→(新幹線)→新山口駅→(在来線)→山口駅
  • [費用] 5,610円 (※新幹線自由席特急料金2,530円含む)
  • [所要時間(最短)]  1時間4分

さすがは新幹線、最速ならば乗り換えを含めても1時間ちょっとで到着してしまいます。
新山口駅でも、改札の外へ出る必要もなく、そのまま在来線に乗り換えできるので便利です。

ただ、費用についてはどうしても割高感が否めません

というのも、この区間はJR九州公式の「割引きっぷ」自体が存在しないのです!

この中途半端な区間については基本的に普通運賃・料金で利用してくださいというのが、
「JR九州」としての基本的な考え方なのかもしれません。

JR西日本の「こだま指定席きっぷ」+在来線

駅に停車中の東京行き新幹線こだま号の車両
新幹線でも「こだま号」を使うという手もあります

残念ながら、JR九州では「博多~新山口」の公式割引きっぷはありませんでした。

しかし、山陽新幹線に乗り入れるもう一つの鉄道会社であるJR西日本には、ちょっと条件付きながらも公式の割引きっぷが存在します!(この「ちょっと条件付き」がやっかいではあるのですが…)

② JR西日本「こだま指定席きっぷ」+ JR山口線(在来線普通列車)

基本情報
  • [ルート] 博多駅→(新幹線)→新山口駅→(在来線)→山口駅
  • [費用] 4270 (1人あたり) + 240 = 4,510円 (1人あたり)
  • [所要時間(最短)] 1時間38分
  • 注意事項】利用は「2名様以上」に限る

(参照) JR西日本公式サイト こだま指定席きっぷ|トクトクきっぷ

JR九州ではなく、JR西日本」側から割引きっぷを調べてみると、「こだま指定席きっぷ」というお得なきっぷが設定されています。

博多から出発する場合、普通は「JR九州」で調べてしまうので、これはちょっと盲点でした

JR西日本【e5489専用】「こだま指定席きっぷ」 

[設定区間例] 博多 ~ 新山口 片道 4270 円1人あたり】 (※通常期)

注意点
  • 利用は「2名様以上」から (※1人分のみでは購入不可)
  • 予約は、JR西日本のweb予約サイト「e5489」からのみ(窓口不可)。出発前日まで。
  • 料金の決済はクレジットカード、または駅支払い・コンビニ・金融機関支払いも可能。
  • 日程変更不可 (予約した便に乗り遅れると「特急料金部分」は買い直し)
  • 繁忙期は利用できない (4月27日~5月6日、 8月10日~8月19日、 12月28日~1月6日)

JR西日本公式の割引きっぷなので安心感はあります。

しかし、「2名様以上」からしか購入できないというのはあまりに大きなネックです。
もちろん、家族連れやグループで利用する場合はメリットなのですが。

また、繁忙期にはそもそも使用できないなど、所々に残念な点も浮かびます。

唯一良い点を挙げるとすると、駅窓口やコンビニでの支払いに対応していることです。
ただし、予約自体はネット上のJR西日本「e5489」サイトで行わなければなりません。

博多~山口を格安で移動したいと考えている人は、大半が「1人」での移動なのではないかと想定されるので、やはり「2名様以上」の購入条件は厳し過ぎる感じがします。

「旅行会社の企画商品 + JR在来線」の組み合わせ

ようやく見つけたJR西日本公式の割引きっぷですが「1人では利用できない」という条件が大きなネックになってしまいました。なんとか別の方法で新幹線に安く「1人で」乗れないか…

あれこれ調べてみたら、ひとつ方法がありました!
旅行会社が出している新幹線「こだま」利用の旅行企画商品です。

③日本旅行「バリ得こだま・ひかり」 + JR山口線(在来線普通列車)

駅に停車中の新幹線500系の先頭車両
「こだま号」をもっと安く利用できる方法があります
基本情報
  • [ルート] 博多駅→(新幹線)→新山口駅→(在来線)→山口駅
  • [費用] 4100 4,500 (1人でも購入可能) + 240 = 4,740円 (※2024年4月料金改定)
  • [所要時間(最短)] 1時間38分
日本旅行【山陽エリア ⇔ 九州】バリ得こだま・ひかりで行くお得な旅

この「バリ得こだま・ひかり」は、大手旅行会社の日本旅行が出している旅行企画商品で、乗車できる便を、基本的に各駅停車のこだま号の便に限定する代わりに、料金をグッと抑えたものです。

一般的には、「博多~新大阪」区間での商品が知名度が高くて人気があるので、なんとなくこの区間専用のプランとして認知されている方が多いかもしれません。

実は、博多~広島のプランもちゃんとあるのです!
そしてなんと嬉しいことに、さらに区間を「博多~新山口」にも変更できるのです!!

「こだまは遅いからイヤだな…」と思う人もいるかもしれませんが、腐っても新幹線です。
しかも、博多~新山口の間はそもそも停車駅自体が少ないため、所要時間の差が出にくいのでそれほど気にはなりません。また、一部の便には「ひかり」号も設定されています。

さらに、旅行商品らしくセブンイレブンでお菓子やお茶と引き換えられるクーポンまで付いてきます。

ただ、注意すべきは、この「バリ得こだま・ひかりは」はあくまでも旅行会社の商品であるため、
いきなり駅のみどりの窓口や券売機に行っても、「JR的には」直接は購入できないことです!!

日本旅行「【山陽エリア ⇔ 九州】バリ得こだま・ひかりで行くお得な旅」

【設定区間例】 博多 ~ 新山口 [片道] 4500 円 (※通常期)

注意点
  • 予約は、日本旅行のwebページ上からのみ(窓口不可)。 ※出発前日の16時まで。
  • 料金の決済はクレジットカード(または日本旅行の旅行商品券)のみ。
  • ネット上で予約と決済完了したものを、駅の指定席券売機で受け取り。
  • キャンセルの場合は「旅行商品」としての手数料がかかる (※JRとは異なる体系)
  • 日程変更不可。予約した便に乗り遅れると特急料金部分は買い直し
  • 繁忙期は価格設定が異なる(高くなる)。
日本旅行【山陽エリア ⇔ 九州】バリ得こだま・ひかりで行くお得な旅

あくまでも「旅行商品」なので、それゆえの縛りは多少ありますが、割引無しの正規料金で乗車するよりも、合計金額で870円安くすることができます。

残念ながら、これまでは最安でしたが、料金改定によってJR西日本の「こだま指定席きっぷ」の1人分相当に逆転されてしまいました

しかし、まだなんと言っても「1人分からの申し込みが可能」というアドバンテージがあります!

1人で博多⇔山口を移動するのであれば、まだまだ魅力的な方法です。

安さが魅力の高速バスですが…

高速バスの車両
新幹線の最大のライバル、高速バス

鉄道に対して最大の対抗馬というか宿敵と言えば、なんといっても高速バスです。
この中途半端な区間にも、ちゃんとJR九州バスの中国ジェイアールバスの「福岡・山口ライナー」という高速バスが走ってくれています!

注意】2023年6月に運行主体が「JR九州バス」から「中国ジェイアールバス」に変わりました。
→ これにより運行本数が大きく削減、料金体系も変更されました!
→ 特に1000円で乗れる』として大人気だった「早割1」の割引は廃止になりましたのでご注意ください!!
→ さらに、その後代わりに登場した「早売0」の割引も廃止になってしまいました。

④ 中国ジェイアールバス「福岡・山口ライナー」

基本情報
  • [ルート] 博多バスターミナル→(直通)→山口駅
  • [費用①] 「片道普通運賃」 3,500円
  • [費用②] 「早売2」 2,400円[閑散日]、2,800円[繁忙日] (乗車2日前までに購入。座席数限定)
  • [所要時間] 4時間5分

鉄道系に比べると料金の安さは魅力的です。
しかし、度重なる値上げ割引制度の変更によって以前ほどの圧倒的な価格面でのアドバンテージは薄まってきてしまいました。

運賃自体の値上げに加え、当日でも購入できた「早売り0」の制度も消滅して、現在では普通運賃で乗るか、乗車2日前までに購入が必要な「早売2」で乗るかの二択にまで選択肢が狭まってきてしまっています。

しかも、「早売2」は「閑散日」と「繁忙日」で料金に差が付く形態での設定です。

安いが、運行ダイヤが…

一番の問題は、この「山口ライナー」、平日は1日にわずか1往復(土日祝及び繁忙日のみ臨時便追加でやっと2往復)しか運行されていないのです

[通常便ダイヤ] (主要停留所のみ抜粋)
山口→福岡】山口駅 6:00 ー 新山口駅 6:35 ー 天神南 9:50 ー 博多バスターミナル 10:00
福岡→山口】博多バスターミナル 19:30 ー 天神南 19:44 ー 新山口駅 23:05 ー 山口駅 23:35

※[臨時便ダイヤ] 土日祝及び繁忙日限定運行 (主要停留所のみ抜粋)
山口→福岡】山口駅 8:00 ー 新山口駅 8:35 ー 天神南 11:50 ー 博多バスターミナル 12:00
福岡→山口】博多バスターミナル 17:25 ー 天神南 17:39 ー 新山口駅 21:00 ー 山口駅 21:30

そのため、現実的には「朝早くに山口から福岡に向かう人」と「夜になって福岡から山口に帰る人」というごく限られたニーズにしか対応できない設定になっています。

さらに、別の問題があります。
中国ジェイアールバスの公式ホームページ内では、直接のweb予約ができないのです。

公式ページ内に「発車オーライネット」へのリンクが貼ってあるので、飛んだ先のサービスで予約してくださいという感じです。発車オーライネットでは、別途会員登録が必要になります。

また、電話予約センターの電話番号も書いてありますが、営業時間が限られている上に、電話番号は「0570」で始まるナビダイヤルなのでそれなりの電話料金を覚悟しなければなりません。

【裏ワザ】実はここからもバス予約できます

バス会社の公式ページでは「発車オーライネット」でしかネット予約できないかのように表示されていますが、実は楽天トラベル」の高速バス予約ページからでも予約できます!

しかも、通常料金だけでなく最安の「早売2」での予約にもちゃんと対応しています。
つまり、公式の「発車オーライネット」と変わらない価格で予約できるのです。

【楽天トラベル】 高速バス・バスツアー 福岡県 → 山口市 高速バス便一覧

すでに楽天会員の方は新たに会員登録の必要はありませんし、なにより楽天ポイントが貯まる/使えるという利点があるので、こちらで予約したほうがお得ではないかと思います。

【参考】全てJR在来線で乗り通してみる

普通列車の転換クロスシート車両内部
時間と手間をかけて、在来線に揺られていく方法も

実はもう一つ方法がありまして…
それは、博多駅から山口駅までJRの普通・快速列車をひたすら乗り継いでいく作戦です。

⑤ JR在来線のみ利用 (普通列車・快速列車)

基本情報
  • [ルート] 博多駅→小倉駅(乗換)→下関駅(乗換)→新山口駅(乗換)→山口駅
  • [費用] 3,240円 (※普通運賃のみ)
  • [所要時間(最短)] 3時間41分

う~ん、正直言って微妙ですね。
費用はそこそこ安くなりましたが、高速バスの普通運賃よりも安い程度です。

また、所要時間が最短の場合でも高速バスに負けず劣らずの長時間です。
そして、一番のネックは乗り換えが3回もあるという煩わしさでしょう!

唯一の救いは、この区間の普通・快速列車は、ロングシート以外にも、セミクロスシートやボックスシートの車両も走っているので、そこそこ快適には移動できるかもしれないという点だけです。

結局、この案は思いつきこそしたものの、旅慣れていない依頼者には難しいだろうと判断して、実際の提案はしませんでした。

また、以前ならば、「青春18きっぷ」が使用できる時期には実質2,410円で乗車できたのですが、改定によって連続利用が原則となったため、都合よくこの区間だけを利用するのは難しくなってしまいました。

まあ、時間と体力に自信があって、列車に乗ること自体が好きであれば、選択肢の一つに入れてもいいかもしれません。

まとめ

今回は、「福岡(博多)⇔山口」というちょっとニッチな区間の移動について調べてみました。

基本的には新幹線が圧倒的に便利ですが、割引で乗りたい場合の利用の仕方にちょっとクセがあるので、事前にしっかりと調べてから、公式の「こだま指定席きっぷ」で行くか、旅行会社の「バリ得こだま」でいくか判断が必要です。

また、高速バスはかなり安く移動できますが、便数の少なさと設定時間帯の不便さを頭に入れておかなければなりません。

それでは、ここまでの情報を、皆様が福岡~山口間を移動する際の参考にしていただければ幸いです。

※ちなみに、冒頭で山口までの移動を調べてほしいと依頼してきた知り合いの出した結論は「当日、博多駅のみどりの窓口に行って、そのまま新幹線に乗るわ。だって、他は面倒くさそうだし!」でした。
「安さ」を取るか「便利さ」を取るか、人それぞれに選択の基準が違っていて実に興味深いものです。

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