私の東京へのライブ遠征では、予算を抑えるために基本的にピーチやジェットスターなどのLCCを利用することにしています。
そうなると、必然的に到着するのは都心から離れた成田空港となります。
いつもなら、成田空港から東京都心へは、「京成アクセス特急」か「京成スカイライナー」のどちらかで向かうのですが、今回のライブ会場は東京ではなく「横浜」だったのです。
また、LCCの到着時刻の関係で、移動時間帯が見事に夕方の帰宅ラッシュとぶつかります。
地方から出てきた者にとっては、都会の満員電車ほど怖いものはありません。
う~んとしばらく考えて、
「そうだ、今回は成田エクスプレスに乗ってみよう!」
という結論になりました。
自分的にはかなりの大英断です!
ということで、今回は初挑戦の「成田エクスプレス」乗車レポです。
もし、同じように成田空港~横浜の移動手段についてお悩みの方がおられたら、ぜひ参考になさってください。
「安さ」か、それとも「乗り換え無し」か
成田空港から横浜まで、それなりに「速く」移動しようと思うと、基本的には候補は3つあります。
成田エクスプレスは、「直通(乗り換え無し)」と「速さ」が圧倒的な魅力です。
また、全席指定制の特急ですから、乗ったら目的地まで完全着席保証で楽チン。
しかし…特急料金と合わせて4500円近いのはいくら何でも高すぎです!
繁忙期には特急料金がさらに200円上乗せになってしまうのも地味に手痛い…
下手すると、飛行機ならLCCで北海道まで行けてしまうくらいの合計金額です。
(参照) 京成電鉄公式サイト スカイライナー/成田空港アクセス
私鉄最速を誇るスカイライナーの利用は、合計金額で3000円を少し超える程度と比較的安く、
所要時間はなんと成田エクスプレスよりもやや短くて、大健闘しているように見えます。
ただし、これは日暮里駅で京浜東北線への乗り換え列車の接続がうまく取れた場合の話です。
大抵は、東京駅か品川駅でもう一回乗り換えの場合が多く、実際にはもう少し時間がかかります。
経験的に、乗り換えが「2回」を超えてしまうと一気に利便性がダウンしてしまう気がします。
そしてやはり、この「日暮里で乗り換え」から先の乗車環境が最大の懸念材料です。
スカイライナー区間は指定席制ですが、日暮里から横浜まではロングシートの普通列車です。
これが見事に夕方の帰宅ラッシュの時間と重なっていては…まず座れませんよね。
地方からLCC、特急と乗り継いできて、最後に満員電車に揺られるのは正直ツラいものがあります。
(参照) 東京空港交通公式サイト
最後に、リムジンバスですが、乗り換え無しと着席保証でこのお値段なら心が動きます。
でも、よく見てみると終点は横浜駅ではなく、「横浜シティエアターミナル(YCAT)」なのです。
まあ、YCATから横浜駅までは歩いて数分なのですが、そこが絶妙に惜しい感じです。
また、バス特有の問題として「渋滞に巻き込まれる」可能性が常につきまといます。
時間に余裕がある場合は良いのですが、ホテルのチェックインやライブの開演時間などが定まっている場合は、少しリスクをはらむ選択肢かもしれません。
こうして色々考え合わせると、やはり成田エクスプレスが最も安定していて魅力的です。
しかし、どうしてもその「合計金額の高さ」が引っ掛かってしまいます…いや高すぎる!
あって良かった!「えきねっとトクだ値」割引
そこで、成田エクスプレスになんとか少しでも安く乗る方法はないか探してみます…
ありました!
JR東日本の「えきねっとトクだ値」の「チケットレス特急券」という割引サービスです。
(参照) えきねっと公式サイト えきねっとトクだ値 JR東日本の特急列車
正規料金の4370円で乗車するのは、正直腰が引けますが…
この「チケットレス特急券」割引(35%OFF)を使った合計金額が3530円なので、スカイライナー利用の場合よりも400円程度高いくらいにまで下がります。
横浜まで乗り換え無しの直通で、全区間指定席利用という付加価値を考えると、これくらいならば十分に現実的で魅力的なお値段と言えます!
ただし、注意する点があります!
この区間は「えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」という割引サービスです。
つまり、この区間のこの割引で用意されるのは、あくまでも「特急券のみ」ということ!
スマホアプリには「特急券のみ」がチケットレス表示されるだけです。
そのため、実際の乗車にあたっては、
- (a) 成田空港から横浜までの「普通乗車券」を券売機 or みどりの窓口で別途購入する
- (b) suicaなどの交通系電子マネーで成田空港の改札口に入場する
これら(a)(b)のいずれかで、別途、運賃部分を支払う必要があります。
同じJR東日本の「えきねっとトクだ値」の割引の中には、路線によって「特急券のみ」と「特急券と乗車券がセット」での発売が混在しているので非常に分かりにくいのです。
この成田エクスプレスの路線は特急券のみの発売なので、注意が必要になります!!
私は、今回は(b)の方法を使って「完全チケットレス」で乗車することにしました。
「チケットレス特急券」+「JREポイント払い」でさらにお得に!
実はこの『えきねっとトクだね』の「チケットレス特急券」を、さらに安くする方法があります。
それは「JREポイント」の特典として、この「チケットレス特急券」を購入するのです!
(参照) えきねっと公式サイト 「JRE POINT特典チケット」をご利用の場合
「JRE POINT」は、JR東日本管内で生活していて電車に乗る機会が多い人には馴染みのあるポイントサービスだと思います。
「suica」と「JRE POINT」を紐付けることにより、通勤通学で電車に乗ったり、駅ビルで買い物をするとポイントが貯まっていきます。
この貯まったポイントの利用方法にはいくつかあるのですが、その中の一つに「えきねっとチケットレスサービスの『JRE POINT特典チケット』」があります。
これを利用すると、成田空港~横浜のチケットレス特急券は1280円(1280ポイント)で買えるのです!
そうなると、運賃と合わせた合計金額は3260円となり、京成スカイライナー利用の場合の合計金額にあと132円差まで迫ることになります。
もうここまで来れば、合計金額の差はほとんど気にせずに、乗り換え無しの成田エクスプレスの強みを存分に享受できます!
ただし、この「JRE POINT」は基本的にJR東日本管内が生活圏の人向けのポイントサービスです。
ですから、首都圏在住の人が地方に行く際、成田空港からの行き帰りに成田エクスプレスに乗車する場合には、チケットレス特急券をさらにお得にする方法として活用できます。
逆に言えば、地方から東京や横浜に旅行やライブ遠征でやって来る人にとっては、現実的には利用が難しいと言えるでしょう。
実際に乗ってみました!「成田エクスプレス」乗車レポ
ここからは、私が実際に成田エクスプレスを利用してみての乗車レポートです。
某LCCで成田空港第3ターミナルに到着したのが、もはや夕方の16:20過ぎ。
急いで到着口を抜けて、第2ターミナルへの連絡バスに乗車します。
ここで、スマホアプリで「えきねっと」を立ち上げて、成田エクスプレスの予約開始!
本当は、余裕を持って前日にでも予約しておきたかったのですが…
LCCの到着が遅れる可能性を考慮すると、飛行機が実際に成田に着いてからの予約が無難です。
一応、出発地の空港でLCCに乗り込む直前に、指定席の空席があることは確認しておきました。
連絡バスに揺られながら、アプリで指定席のシートマップを確認します。
飛行機の出発前と比べると、一気に席が埋まってきていることに驚きです。
それでもまだ窓側には空きがあったので、迷わずそれを選択!
ちょうど連絡バスが第2ターミナルに到着、もうここまで来れば大丈夫です。
バスを降りたら、すぐさま「予約」のボタンをタップ。
あらかじめ登録しておいたクレジットカードからの決済が行われて、17:20の空港第2ビル駅発「成田エクスプレス40号・大船行き」予約完了!
あとはそのまま地下の空港第2ビル駅へと降りて行きます。
予約があっさりと済んで時間にも余裕があるので、コンビニでコーヒーなど購入。
改札へ向かう途中、ふと「みどりの窓口」のほうを見ると、衝撃の光景が…
信じられないくらい大勢の外国人観光客の方々が、窓口に長蛇の列を作っています。
その行列の長さに内心ギョッとしながらも、こちらはモバイルスイカにて、タッチで改札に入場です。
心の中で「チケットレスありがとう!」と噛み締めながら進みます。
乗り場に降りて、数分待ったところで、始発の空港第1ビル駅の方から成田エクスプレスが入線してきました。
うーん、なかなかの迫力があります。
乗り込むと、車内はもうすでに70~75%くらいの乗車率。
ただ、空港第2ビル駅から乗り込む人は意外に少ないように感じました。
アプリ画面に表示された「モバイル特急券」を頼りに席を探します。
無事に着席して、ここから約1時間30分の横浜までの旅です。
座席はしっかりした造りで、なかなか快適です。
体の大きな外国人の利用が多いからか、シートピッチも広く感じます。
足元は本当に広々して快適!
背面テーブルも大きくて、ノートPCを広げてもゆったり作業ができそう。
もちろん、さらに車内wifiも備わっています。
また、1席ごとに電源コンセントも完備されています。
車内はほぼ7割くらいが外国人観光客の方々のように見えます。
おそらくほとんどが「JAPAN RAIL PASS」利用かと思われます。
列車は成田線内は特急とは思えない感じの控えめな速度で進みますが、千葉駅を過ぎたあたりから猛然とスピードアップ!
まさに「特急」らしい迫力で、ここから東京駅までノンストップで駆け抜けます。
これまでJR北海道やJR九州の特急には多く乗ってきましたが、
この成田エクスプレスは揺れが少なくてなんだか快適に感じます。
いや、北海道や九州の列車があまりにも揺れまくるということなのか…
そうこうしているうちに、列車は都内に近づいていきます。
突然、進行方向右側のお客さんが一斉にスマホで外の写真を撮り始めたと思ったら、
快晴の夕景に見事な東京スカイツリーの姿が映っていたのでした。
そして、まずは驚くほどあっさりと東京駅の地下ホームに到着。
大半の外国人観光客はここで下車していきました。
入れ替わりにちょっとリッチな感じのビジネスマンがちらほら乗ってきました。
この時間帯は、着席して横浜・大船方面に帰宅したいという需要も取り込んでいるようです。
新宿方面行きとの解結作業を終えて、東京駅を出発すると、列車は薄暮の中を品川、武蔵小杉と滑るように進んで行きます。
左手にランドマークタワーがちらりと見えたと思ったら、もう目的地の横浜に到着。
あっという間の列車旅でした。
率直な感想としては、「成田エクスプレス、めちゃくちゃ快適!」のひと言です。
まさかこれだけ快適に短時間で成田空港~横浜間を移動できるとは思っていませんでした。
あとは、合計金額があと500円くらい安くなれば、もう何も言うことは無いんですけどね。
[おまけ] とにかく安く「乗り換え無し」で移動したい場合は…
最後におまけ情報です。
「時間がかかってもいいから、安くそして『乗り換え無し』で移動したい!」という方には、実は別の方法があります。
それは、JR成田線・総武線を直通するJRの快速列車を利用する方法です。
乗り換え無しの直通に加え、圧倒的な安さ!
時間的にも2時間をわずかに超える程度で、これは大健闘と言えるでしょう。
ただし難点は、普通車のロングシートに2時間座り続けること。
また、帰宅ラッシュの時間帯は必然的に車内が激混みになることです。
また、直通運転の快速は1時間半に1本程度の設定ですから、便数が限られます。
実は、今回の遠征では、横浜からの帰路は時間的に余裕があったので、
この快速に(逆方向ですが)乗車して、成田空港まで戻ってみました!
結論からいうと、ロングシートでの2時間は「正直しんどい…」でした。
午前中で車内は空いていたのですが、成田までの道のりが本当に遠く感じる…
体感的には、行きの成田エクスプレスの倍はかかったように感じました。
それでも、圧倒的な安さは魅力的です!
時間と体力に余裕にある方はチャレンジしてみてもよいのではと思います。
まとめ
今回、成田空港から横浜まで移動する方法について、成田エクスプレスを中心に見てきました。
実際に「成田エクスプレス」に乗車した感想としては、あまりの快適さに感激するほどでした!
やはり、「乗り換え無し」+「ラッシュの混雑を回避」という付加価値は計り知れないメリットです。
懸念材料であった料金の高さも、「えきねっと」の「チケットレス特急券」の割引を活用すればギリギリ実用的な許容範囲に収まる感じです。
個人的には、次回も成田空港~横浜を移動する機会があれば、成田エクスプレスを第一選択に挙げようかと思うほどです。
一方で、成田空港~横浜の移動には「スカイライナー」や「リムジンバス」といった強力なライバルたちや、「JR総武線快速」といった隠し玉まで存在します。
それぞれに違った魅力やメリットを持っていますので、利用する時間帯や用途に合わせて、自分に一番合った移動手段を選んでいただければよいと思います。
それでは、今回の内容が、皆様の「成田空港~横浜」の快適な移動のお役に立てれば幸いです。