私はテレビを持っていません。
正確に言うと、以前はテレビを持っていたのですが、ある時期を境にテレビを見ること自体をやめてしまいました。
それからもう10年以上、自宅でテレビを見ることのない生活を送っています。
よく人から「テレビ無しで、よく生活できるね?」と言われますが、全く不便はないのです。
今回は、そんな「テレビがなくても不便なく快適に生活していく方法」について、具体的なやり方をお話します。
これが皆様のシンプルで快適な生活へのヒントとなってくれたらありがたいです。
「テレビを見ること」をやめたきっかけ
私がテレビを見ることをやめてしまったきっかけは、大きく二つあります。
旅先で出会った不思議な人
ひとつは、もう15年以上前に旅先で出会ったある人との会話でした。
意気投合して様々なことを話したのですが、その中でとある芸能人テレビ番組の話題になったとき、衝撃の一言が発せられました。
「あ、ゴメン。私、テレビ持ってないの(笑)」
これには、本当に目からウロコでした!
その人の話によると、
- 「仕事で遅く帰ってくるので、テレビを見る時間的余裕などない」
- 「本と漫画と音楽が好きなので、それだけで十分!」
- 「唯一『所さんの笑ってコラえて』だけは見たいので、そのときだけは自分の姉の家に行って見せてもらう(笑)」
というような感じでした。
その話を聞いたときは、正直、「そんなもんかねぇ~」という感じでした。
ただ、「もしかして、テレビって無くても困らないのでは?」という考えは、そのとき確かに芽生えた気がします。
地デジ完全移行への違和感
もうひとつのきっかけは、2011年の「地上デジタル放送完全移行」です。
世の中は「地デジ!地デジ!」と浮かれていましたが、私はやや冷めた目で見ていました。
特に、まだ耐用年数が十分にあるアナログTVの機器があるのに、急いで最新型の地デジ対応TVに買い替えましょう!という、不思議な世の中の雰囲気にはちょっと違和感を感じてしまいました。
全然エコじゃない…
もちろん、アナログTVにチューナーを取り付けて視聴するという、苦肉の策も方法もあることはありましたが、「何もそこまでして…」と正直乗り気ではありませんでした。
どうしようかと迷っていたとき、あの旅先で出会った人の言葉がふと脳裏に蘇ってきました!
「もうここから先の時代は、テレビが無くても大丈夫かもしれない…」
そして、2011年のアナログ放送停波の日、私は本当にテレビを見ることをやめてしまったのでした。
テレビ無し生活のメリット・デメリット
地デジ移行を機に、私は本当にテレビを見ることをやめてしまいました。
その結果どうなったかというと…全然大丈夫でした!
まだまだ、「シンプルライフ」や「ミニマリスト」という言葉が市民権を得てはいない時代でしたが、その後の時代の流れを見てみると、あながち間違った選択ではなかったと思います。
それでは、私が実際にテレビ無しの生活を始めてみて感じた「メリット」と「デメリット」をまとめてみましょう。
テレビ無し生活のメリット
(1)【時間の有効利用】
それまでテレビ視聴に費やしていた時間は、そのまま読書や漫画や音楽へと移行していきました。
まるで、旅先で出会ったあの人が言っていたかの如く!
これによって、自分の趣味や好奇心の幅はかなり広がったように思います。
(2)【受信料や電気代の節約】
現実的な部分として、もうテレビ受信料を払う必要がなくなったのは、経済的・金銭的に大きなメリットでした。
浮いたお金の分を、そのまま何か別のことに有効利用できます!
また、それまでは基本的に「テレビはつけっ放し」だったので、それが無くなった分の電気代も節約になったはずです。
テレビ無し生活のデメリット
(1)【周囲の目】
今でこそ、「テレビを持っていない」という人は珍しくはありませんが、当時は周囲の人たちからはかなり奇異な目で見られました。
まあ、気にしなければなんていうことはない(笑)
(2)【情報や話題の乗り遅れ】
テレビを見なくなった当初こそは、世の中の事件や話題などについて行けず、恥ずかしい思いをすることもまあ多少はありました。
しかし、その後SNSが情報発信の主役に移行して、テレビの立場が相対的に後退してからは、もはやそのようなことは完全になくなってしまいました。
テレビ代わりになるものはいくらでもある(無料編)
では、テレビが無くてもどうやって快適に生活できるのか?
その代わりとして役立ってくれるものを検証していきましょう。
まずは、お金をかけずに基本的に「無料で」楽しめるものやサービスからです。
① Tver
いきなり大本命が出てしまいました!
正直言って、これさえあればパソコンやスマホでテレビ番組が見られるのですから、旧来のテレビ受像機はまるで立場がありません。
しかも、そもそも受信料は不要のサービスで、完全に無料で見れてしまいます。
また、Tverにはもうひとつ利点があって、「見たい番組だけをピンポイントで見られる!」という点です。
通常のテレビのように「ながら視聴」ではなく、見たい番組を見たいタイミングで視聴できるのは、時間の有効利用という点で大きなアドバンテージです。
さらに、最近では一部番組のリアルタイム視聴も始まっているので、ますますテレビとの差はなくなってきました。
② Youtubeなどの無料動画配信サービス
Tver登場前は、Youtubeやニコニコ動画をテレビ代わりにしている人はかなり多かったと思います。
好きなジャンルや、お気に入りのYoutuberの動画を好きなだけ無料で見ることができます。
また、Youtubeの意外な利点は「ニュース番組」を視聴するのに便利なことです。
というのも、大体のテレビ局がYoutubeに自局のニュースチャンネルを開設しているからです。
国内のみならず、BBCなどの海外のニュースチャンネル動画も無料で視聴できたりします。
また、Youtubeは個人的に好きな「歴史系」や「地理系」の解説動画が充実しています。
というわけで、私は個人的には、Youtubeを「ニュースチャンネル」と「教養・学習チャンネル」として利用させてもらっています。
③ radiko
「radiko」も、Tver同様にそもそも無料で、パソコンやスマホからラジオを聴くことができ、専用の受信機も不要な素晴らしいサービスです。
しかも、ながら聴きの「リアルタイム」にも、ピンポイントの「タイムフリー」にも両方対応しています。
これまで、なんとなくテレビをつけても画面を見ずに、ほぼBGM代わりに使って使っていたような人たちも、このradikoの登場でかなりの数が移行したのではないかと思います。
※基本的に無料のサービスですが、「全国のラジオが聴きたい!」という熱心なリスナーのために、『radikoプレミアム』という有償サービスも、比較的安価な料金で用意されています。
また、ある条件に当てはまると、地方在住であってもそのまま東京エリアのラジオが聴ける場合があります。
詳しくは、こちらの記事にまとめてあります。
テレビ代わりになるものはいくらでもある(有料編)
続いては、有料ではあるものの、テレビの受信料を払うよりはずっとお得に、自分の趣味嗜好に合わせてピンポイントで楽しめるサービスです。
① 有料動画配信サービス(VOD)
TverやYoutubeは、無料サービスとしては申し分ないのですが、少しだけ弱点があります。
それは「映画やドラマ」「スポーツ中継」に弱いということです。
そこで、その補完サービスとして、有料動画配信サービス(VOD)を使用するのが合理的です。
Amazonプライムビデオ、Netflix、Hulu、U-NEXT、ABEMAプレミアム、DAZN…まさに数え切れないほど充実しています。
10年前なら全く想像もできなかった選択肢の多さです!
これらを使って「韓国ドラマ」や「海外サッカー中継」を見まくっても、ほとんどがテレビ受信料より安く済むのは本当にありがたいことです。
② 音楽のサブスクリプションサービス
直接的にテレビの対抗馬になっているかは分かりませんが、月額制で好きなアーティストの音楽が聴き放題になるサービスは本当にありがたいものです。
もちろん、音楽だけを集中して聴いても楽しめるし、読書や勉強のお供としても活躍してくれます。
この点では、radikoと近い役割を果たしてくれているのかもしれません。
③ 本や漫画のサブスクリプションサービス
個人的に、有料でも全然惜しくないと最も思える嬉しいサービスが、この本や漫画のサブスクです。
テレビもそれなりに情報を得られるメディアですが、ダラダラとテレビを流し見するのと、意識的に活字を読んでいくのでは、頭に入ってくる情報の密度がまるで違うように感じます。
また、以前は書籍を購入するのに書店まで出向く必要がありましたが、これだと自宅に居ながらにしてダウンロードして、すぐに読みにかかれるので、便利この上ないサービスです。
小説から雑誌、漫画に至るまで好きな時間に好きなだけ読めるという充実度では、「別にテレビがなくてもいい」という、あの旅先で出会った人の言葉を最も実感します。
災害の備えもしておきましょう!
テレビを持っていないと、必ず突っ込まれるのが「災害のときはどうするの?」ということです。
その場合は「大丈夫です、携帯型のポケットラジオを用意してあります!」と答えます。
災害時には、正直言ってテレビはあまり役に立ちません。
なぜなら、大規模災害が発生した場合は、停電も同時に起きていることも多く、電気がなければテレビはただの箱です。
その点、ポケットラジオなら、停電時においても乾電池さえあれば長時間駆動して、情報源として働いてくれます。
実際、東日本大震災では、停電した避難所で小さなポケットラジオを頼りに情報を集める姿が多く見られました。
もちろん、今ならradikoアプリを使ってスマホでラジオが聴けますが、停電下ではバッテリー残量との戦いになってあまり現実的ではありません。
そういった意味でも、「テレビは無くとも、(ポケット)ラジオは用意しておきましょう!」と周囲におすすめするようにしています。
※災害時の電源確保については、よければこちらの記事も参考にされてください。
まとめ
今回は、テレビがなくても十分に快適な生活が送れることについて書いてきました。
もちろん、私は別にテレビが嫌いなわけではありません。
ただ、残念ながらテレビが生活の中心的な必需品であった時代はもうとっくに終わってしまったし、別にテレビ無しでも全然生活には困らないよ、ということが伝えたかっただけです。
生活が多様化していく中で、これまでの常識にとらわれず、一人一人が自分なりの楽しみや過ごし方を見つけていっていただけたら幸いです。