海外からの長時間フライトを終えて日本に到着して、「すぐにシャワーを浴びてスッキリしたい!」と思った経験がある方は少なくはないと思います。
また、特に夏の暑い時期は、重い荷物を抱えて空港にたどり着くだけで汗だくになることも多いため、「搭乗前にひと風呂浴びて、サッパリしてから飛行機に乗り込めたらいいのに…」という方も多いかもしれません。
しかし、
「どの空港にシャワーがあるのか?」
「どのような資格なら利用できるのか?」
「あれ?この空港は以前はシャワーがあったはずだけど…」
というように、各空港ごとの設置状況の情報に関してはバラバラに分散していて、その情報を網羅したものがほとんど見当たりません…
私自身も、空港内にあるのか無いのかもハッキリしないシャワーのありかを求めて、さまよい歩いた経験が何度もあります。
というわけで、そんな皆様の悩みを解消すべく、今回は日本の主要空港内のシャワー・入浴施設について「総まとめ」してみましたので、皆様の快適な空の旅のためにぜひご活用ください!
※ 北から南までかなり多くの空港・ターミナルに入浴施設をまとめてあります。
お目当ての空港・ターミナルがある場合は、ご遠慮なく次の「目次」から直接その空港・ターミナルの紹介に飛んでご覧いただくと便利かと思います!
空港内のシャワー・入浴施設にも色々ありますので…
まず、「空港でシャワー」「空港で入浴」と言っても、設置の形態や利用の方法でいくつかのパターンがあります。
そこで、国内主要空港のシャワー・入浴施設について、以下のように分類しましたので、利用を検討する際の参考にしてください。
今回は、この5つの分類を使ってご説明していきます。
それでは、国内主要空港のシャワー・入浴施設を、北から順に見ていきましょう。
新千歳空港のシャワー・入浴施設
(参照) 新千歳空港ターミナルビル公式サイト 新千歳空港温泉-空港で過ごす
新千歳空港にはかなり大規模な温泉施設があることで有名です。
短時間の利用も可能ですが、最大の特徴は「宿泊」ができることです。
基本料金に加えて、別途「深夜料金」を支払えば、翌朝9時までの滞在が可能です。
その場合は、「リラックスルーム」や「安眠ルーム」のリクライニングチェアで休むことができます。
そのため、温泉施設というだけでなく、リーズナブルな「隠れた」宿泊施設として利用している方も多く見られます。
実は私も、最終便のLCCで北海道入りして、この温泉施設で1泊してから、翌朝早くにもうひと風呂浴びて、新千歳空港駅から北海道観光をスタートするという使い方をよくやっていました。
また、北海道の夏フェス「Rising Sun Rock Fesitival」にオールナイトで参加した後、この温泉でひと風呂浴びてから飛行機に乗って本州へ帰った経験もあって、本当に便利でありがたい施設です。
【更新情報】 2023年12月1日より料金改定が行われましたのでご注意ください!!
仙台空港のシャワー・入浴施設
(参照) 仙台空港公式サイト シャワールーム
仙台空港には、空港周辺をランニングする人々のためのランナーサポート施設「ランナーズポート」が設置されており、この施設内のシャワールームのみでの使用が可能です。
タオルなどのアメニティは付いてきませんが、別途レンタルが可能です。
なお、料金の支払いは現金のみで、電子マネーやクレジットカードは使用できないのでご注意ください!
成田空港のシャワー・入浴施設
成田空港 第1ターミナル (T1)
制限エリア外の一般エリアにあるため、搭乗前・搭乗後の両方で利用できます。
個室タイプのシャワールームを8室設置しています。
制限エリア内にあるため、「出国手続き済み」および「乗り継ぎ」の乗客しか利用できません。
※シャワールームとは別に「仮眠室」もあり、ここにもシャワーが設置されています。
[仮眠室(シングル)] 料金は、最初の60分:1,560円、以降60分毎につき:780円。最終受付は20:00。
[仮眠室(ツイン)] 料金は、最初の60分:2,520円、以降60分毎につき:1,260円。最終受付は20:00。
ANAの上級会員用ラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」内にあります。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「ANAダイヤモンド会員」あるいは、当日「ANA国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
ANAの上級会員用ラウンジ「ANA LOUNGE」内にあります。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「ANA上級会員」(詳細は公式サイト参照)あるいは、当日「ANA国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
ANA運航国際便を利用して、成田空港に当日「到着」する乗客向けの施設です。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「ANA上級会員」(詳細は公式サイト参照)あるいは、当日「ANA国際線ファーストクラスで到着した乗客」等に限られ、該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
※「ANAダイヤモンド会員」や「ANA Million Miler Program「Lounge Access Card」」を持つ場合は、当日到着の国内線利用でもシャワー使用が可能です。
成田空港 第2ターミナル (T2)
制限エリア内にあるため、「出国手続き済み」および「乗り継ぎ」の乗客しか利用できません。
※シャワールームとは別に「仮眠室」もあり、ここにもシャワーが設置されています。
[仮眠室(シングル)] 料金は、最初の60分:1,560円、以降60分毎につき:780円。最終受付は20:30。
[仮眠室(ツイン)] 料金は、最初の60分:2,520円、以降60分毎につき:1,260円。最終受付は20:30。
カプセルホテルですが、宿泊者以外でもシャワーのみ1,000円で利用が可能です。
1時間の利用ができるので、シャワーを浴びてからもゆっくりと身支度を整えられます。
第3ターミナルでLCCを利用する方が利用するのにも便利。
また、24時間営業であるため、空港ターミナル内で「空港泊」をする場合にも使いやすいです。
実は私も、第2ターミナルで空港泊をした後、早朝にここでシャワーを浴びてから始発のLCCの便で地元へ帰るということを何度かやった経験がありますが、真夜中でも早朝でも営業時間を気にすることも無くいつでも利用できてとても便利でした。
JALの上級会員用ラウンジ「JALファーストクラスラウンジ」内にあります。
利用できるのは、当日「JAL国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、その資格に該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
JALの上級会員用ラウンジ「JALサクララウンジ」内にあります。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「JAL上級会員」等に限られ、その資格該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
成田空港 第3ターミナル (T3)
LCC専用の成田空港第3ターミナル(T3)には、一般客が利用可能なシャワー等の施設は無いので注意してください!
シャワーを利用したい場合は、最寄りの第2ターミナル(T2)まで行くのが一般的です。
羽田空港のシャワー・入浴施設
羽田空港 第1ターミナル (T1)
(参照) ファーストキャビン羽田ターミナル1 | ファーストキャビン公式サイト
ターミナル直結のカプセルホテル内の入浴施設が利用できます。
ただし、入浴のみの貸出しは行っておらず、あくまでも「ショートステイ」としてキャビン(カプセル個室)と併せての利用になります。
そのため、シャワーや入浴だけでなく、個室での休憩や仮眠が可能です。
JALの上級会員用ラウンジ「JALサクララウンジ」内にあり、シャワールームは5室設置。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「JAL上級会員」あるいは、当日「JAL国内線・国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
羽田空港 第2ターミナル (T2)
国内線ターミナルの到着ロビーにあるシャワールームです。
シャワールームが10室設置されています。
営業時間が短く、お昼の1時には営業終了するため注意が必要です(2023年8月現在)。
【更新情報】営業時間が変更・拡大になりました!
午前と午後の2回に分けての営業になっています(2023年10月現在)
国内線ターミナル出発ロビーのクレジットカードラウンジ内にあるシャワールームです。
シャワールームが3室設置されています。
対象のクレジットカードを持っていない方でも利用できますが、その場合にはシャワー料金とはさらに別にラウンジ自体の利用料金1,100円が必要です。
ANAの上級会員用ラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」内にあります。
シャワールームは3室設置。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「ANAダイヤモンド会員」あるいは、当日「ANA国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
羽田空港 第3ターミナル (T3)
国際線ターミナルの到着ロビーにあるシャワールームです。
※以前にあった場所から、2023年6月に到着ロビーの逆サイドに移転しました!
制限エリア外の一般エリアにあるため、搭乗前・搭乗後の両方で利用できます。
シャワールームが21室設置されています。
営業時間が短く、お昼の12時には営業終了するため注意が必要です(2023年8月現在)。
【更新情報】営業時間が変更になりました!24時間営業に拡大されています(2023年10月現在)
個人的な思いでですが、かつて川崎市の東扇島で「BAYCAMP」というオールナイト音楽フェスが行われていた頃は、終演後の早朝に(移転前の)ここでシャワーを浴びてサッパリしてから飛行機に乗って地元に帰るのが定番でした。
羽田空港第3ターミナル直結のホテル「ヴィラフォンテーヌ」の入浴施設「泉天空の湯」が利用できます。
また、深夜2:00〜5:00の施設内滞在には、深夜料金の4,000円が別途必要です。
ANAの最上級会員用ラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」内にあります。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「ANAダイヤモンド会員」あるいは、当日「ANA国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、それらの資格に該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
ANAの上級会員用ラウンジ「ANA LOUNGE」内にあります。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「ANA上級会員」あるいは、当日「ANA国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
JALの上級会員用ラウンジ「JALサクララウンジ」および「JALファーストクラスラウンジ」内にあります。
利用できるのは、このラウンジに入る資格を持った「JAL上級会員」あるいは、当日「JAL国際線ファーストクラスで搭乗する乗客」等に限られ、該当する場合は無料でシャワーを使用できます。
中部国際空港(セントレア)のシャワー・入浴施設
中部国際空港 第1ターミナル (T1)
(参照) 中部国際空港 セントレア 公式サイト SOLA SPA 風の湯 – ショップ
セントレアの空港ターミナル内にある立派なスーパー銭湯です。
以前あった入浴施設がしばらく休業していましたが、2023年2月に全面リニューアルオープンしました。
なんと!「日本の空港で『飛行機を眺めながら利用できる』唯一の温浴施設」とのことです。
(参照) 【公式】TUBE Sq|中部国際空港ターミナルビル内カプセルホテル
ターミナル内にあるカプセルホテルですが、宿泊者以外でも、シャワーのみ900円で利用が可能です。
24時間営業で、利用時間も1時間あるので、お好みの時間帯に比較的ゆっくりと利用ができます。
中部国際空港 第2ターミナル (T2)
LCC専用の簡素な造りのセントレアT2には、シャワールーム等はありません。
関西国際空港のシャワー・入浴施設
関西国際空港 第1ターミナル (T1)
第1ターミナルの国際線出発エリア内、つまり「制限エリア内」にあるため、出国手続き後でないと利用できないのでご注意ください!
いわゆる「コインシャワー」タイプのシャワールームです。
料金を100円玉で投入すると、一定時間分のシャワーが利用できるものです。
シャンプー等は備え付けですが、タオルは付いてきません。
自前のものを用意するか、シャワールーム前に設置された自動販売機で別途購入が可能です。
※【補足情報】
以前は、第1ターミナル内の「KIXエアポートラウンジ」にもシャワールームがありましたが、このラウンジは2020年6月末をもって閉店しています。
関西国際空港 第2ターミナル (T2)
関西国際空港 エアロプラザ
エアロプラザのクレジットカードラウンジ内にあるシャワールームですが、対象のクレジットカードを持っていない方でも、シャワーのみの単独利用が可能です。
シャワーは7室(男性3室、女性3室、身障者用1室)設置されています。
また、対象のクレジットカードを持っている方は、ラウンジを2時間無料で利用できます(※シャワー料金は別途)
※【補足情報】
かつては、エアロプラザ内の無料休憩スペースに付属したコインシャワーがありましたが、このスペース自体の閉鎖に伴いコインシャワーは撤去されました。
その跡地にラウンジNODOKAが設置されています。
(参照) ファーストキャビン関西空港公式サイト「空港内で大浴場利用開始」
エアロプラザ内にあるカプセルホテルですが、2023年5月から、宿泊者以外でも入浴のみの利用ができるサービスが始まりました。
(参照) ホテル日航関西空港公式サイト「シャワーブースのご案内」
エアロプラザ内のホテルですが、2023年4月よりシャワーブースの営業を再開しました。
伊丹空港のシャワー・入浴施設
現在は国際線の発着がなく、国内線メインのためか、伊丹空港には一般客が利用可能なシャワー・入浴施設の類はありません。
福岡空港のシャワー・入浴施設
リニューアルされてすっかり新しくなった福岡空港ですが、意外にも空港内に一般客が利用可能なシャワー・入浴施設の類はありません。
不思議なことに、国内線ターミナルにも、国際線ターミナルにも、ラウンジ内にも一切設置されていないのです。
※【補足情報】
かなり以前には、国内線のカードラウンジ内にシャワーが設置されていた時代がありました。
しかし、空港全体のリニューアル工事を控えて、そのラウンジが別の階に仮移転する際に、シャワー設備は姿を消してしまい、以来ずっとシャワー施設が無い状態が続いています。
那覇空港のシャワー・入浴施設
到着ロビーのクレジットカードラウンジ内にあるシャワールームです。
対象のクレジットカードを持っていない方でも利用できますが、その場合にはシャワー料金とは別にラウンジ自体の利用料金¥1,320が必要です。
もちろん、対象のクレジットカードを持っている方は、ラウンジを無料で利用できます(※シャワー料金は別途必要)
シャワールームが1室しかないため、時間帯によっては空きが無い場合も考えられるので注意が必要です。
まとめ
今回は、国内の主要空港のシャワー・入浴施設の設置状況について総まとめしてみました。
特に目立ったのは羽田空港と成田空港で、様々なタイプのシャワーや入浴設備を備えているのは、さすが国内線と国際線の両方を数多く抱える日本随一の大規模空港という感じです。
また、新千歳空港やセントレアのように、専用の大浴場を備えて、空港での入浴自体をひとつの楽しみとして提供しているところもあります。
その一方で、伊丹空港や福岡空港のように、それなりの規模を誇る空港にもかかわらず、そもそもシャワーや入浴施設が皆無の空港があることも意外でした。
今回の内容で、日本国内にある空港施設内のシャワー・入浴施設をほぼ網羅的に把握することができますので、これまで「この空港にシャワーはあったっけ?」とお困りだった方は、ぜひお役立ていただきたいと思います。
それでは、フライトの前あるいは後に、空港のシャワーや大浴場でサッパリしてから、快適な旅を続けてください。