旅行の荷物で一番かさばるものと言えば、やはり「衣類」です。
身軽な旅を目指す者としては、無駄な衣類は一枚たりとも持って行きたくないものです!
そこで役立つのが、ホテルの部屋で自分で衣類を手洗いしてしまうテクニックです。
今回は、旅行先のホテルの部屋で衣類を手洗いする方法や便利グッズについてご紹介します。
皆様が少しでも荷物を減らした身軽な旅行を楽しめるようなヒントになれば幸いです。
衣類の素材選びから考えてみる
旅行先での手洗い洗濯をうまくいくようにするためには、ちょっとだけ事前に準備したり予備知識としてアタマに入れておいたほうが良いことがあります。
まず知っておかなければならないが、あらゆる衣類を完全に手洗いするのはかなり難しいということ。
正確に言うと、洗うこと自体はできるのですが、それを「乾かす」ことが何倍も難しいのです!
特に綿100%素材のものはどうしても乾きにくいのです!
例えば、ズボンや厚手の綿のシャツを翌朝まで完全に乾かすのは、かなり至難の業です。
まずは「乾きやすい素材」を選ぶ
そこで、旅行に行くにあたってはそもそも「乾きやすい」素材を選んでおけばよいのです。
最も乾きやすいのは、ポリエステル素材やメッシュ地になっているものです。
こういった素材は、スポーツ用品やアウトドア用品の扱いになっていることが多いです。
ネット通販では、「ドライ」とか「速乾」というキーワードで探せば、意外と簡単に見つかります。
旅先で一番重宝するのはドライTシャツで、インナーとしてもアウターとしても活躍する万能アイテム。
実用性を考えると、やはりスポーツ用品の専門メーカーのものが速乾性のレベルが格段に高いです。
地味に乾きにくい難敵「靴下」
私の実体験からすると、一番乾きにくいのは靴下です!
特に綿100%の靴下の乾きにくさは、旅行部屋干し界隈の隠れた難敵なのです!!
他の衣類は乾いたのに、靴下だけが生乾き…という苦い経験が何度もあります。
そんな靴下も、ちゃんとスポーツ用品や登山用品としてドライ仕様のものが販売されています。
洗剤選びは色々と考える必要アリ
旅行用の洗剤は粉末か固形に近いものがおすすめ
さて、実際に旅行先で衣類を手洗いするために必要なのが洗濯洗剤ですが、これについては小分けされたものが旅行用が市販されています。
最もよく知られているのが、袋に小分けパックされた粉末タイプです。
もし旅行で使い切れずに余ったら、普通に家庭での洗濯にも使えるので無駄がありません。
粉末洗剤の進化系として、軽くて便利な洗濯シートタイプもあります。
事前にハサミで小さく切って必要な分だけもって行くとコンパクトで無駄がありません!
(※粉末洗剤扱いなので、国際線の飛行機内にもそのまま持ち込めます)
さらに、洗濯ができる固形の石鹸もあります。
単なる洗濯石鹸ではなく、洗濯+髪から体まで全身洗えてしまう優れモノ!
旅先での管理のしやすさと用途の広さでは一番便利かもしれません。
(※固形なので、国際線の飛行機内にもそのまま持ち込めます)
また、チューブ入りのペーストタイプの旅行用洗剤なんてものもあります。
洗濯物の量に応じて、必要な洗剤の量を簡単に調整できるので最もジップロック洗濯向け!
(※容量100ml以下ならば、化粧品などと同じルールで国際線の飛行機内にも持ち込めます)
液体洗剤系は旅行には不向きです
ところで、液体洗剤が小分けパックされたタイプや、いわゆる「ジェルボール」といった製品もありますが、液体系のものは「旅行用としては」あまりおすすめしません。
旅行中に液体を管理するのは結構大変で、常に「漏れる」という危険性がつきまとうからです。
バッグの中で他の荷物に圧迫されて洗剤パッケージが破れたり、ジェルボールに至っては「破裂した」なんて話もよく聞きます。
漏れたり破裂したりしてキャリーバッグの中が洗剤まみれになると、後始末も大変ですし、せっかくの旅行のテンションもダダ下がりになってしまいます。
ボディーソープでも代用はできますが…
1泊や2泊程度の短い旅行であればホテルのバスルームに備え付けのボディーソープで代用するのというのもひとつの手だと思います(まあ貧乏くさい感じはしますが…)。
個人的な経験則で言えば、1~2回くらいの洗濯であればボディーソープでもまあ大丈夫だと思っています。正直、私も1泊の弾丸旅行ならボディーソープを使ってその場をしのぐことはあります。
しかしながら、それ以上の泊数・回数になると蓄積した脂汚れを完全に落とすのは難しくなります。
さらに、洗濯を重ねると部屋干し特有のニオイも次第に気になってきてしまいます。
ですから、ボディーソープを使うのはあくまでも「非常の策」と考えてください。
旅の万能品「ジップロック」で揉み洗い
では、下準備は終わりましたので、いよいよ具体的にどうすれば旅先のホテルで手軽に洗濯できるのか。
そこで大活躍するのが「ジップロック」のようなジップ付きの袋です。
別に、御本家ジップロックでなくても、スーパーや100均で売っているような「食品保管袋」や「フリーザーバッグ」でも十分です。
ただし、万が一洗濯の途中で袋が破れてしまうと大変なことになるので、なるべく丈夫な製品を選んでください!
残念ながら、製品によっては明らかに素材が薄かったり、ジップ部分の強度が不足しているものがあるので見極めが必要です。
もし迷ったら…御本家ジップロックにしておけば不安は少ないでしょう。
また、袋のサイズのサイズに関しては、「大は小を兼ねる」で、大きめのほうが便利です。
そうすれば、洗濯用だけでなく、衣類の圧縮袋としても使えるので旅行には一石二鳥と言えます。
また、ジップ袋と洗剤を別個に用意するのが面倒な人には、セットになった便利な商品もあります!
これはかなり上手くできた製品で、袋自体にジップとは別の「すすぎ口」が付いているので、すすぎ作業が格段に楽になります。
こちらは、やはり洗濯物を入れるためのジップとは別に「排水用ジップ」が付いているタイプ。
実際にジップロックを使って洗濯する方法
それでは、実際にジップ袋を使って、衣類を簡単に手洗いする方法を見てみましょう!
- STEP 1ジップ袋に衣類を放り込んで、洗剤(またはボディーソープ)も投入
- STEP 2衣類全体がやや浸るくらいに「ぬるま湯」を注ぎます
→洗剤の溶け残り防止や、脂汚れを落とす効果を考えてぬるま湯がベター!
→汚れがひどい場合は、そのまましばらく「つけ置き」するのも効果的。 - STEP 3ジップをしっかりと閉じて、袋ごとモミモミと揉み洗いをします。
→入浴時にバスタブに浸かりながら、暇つぶしがてらにモミモミするも良し。
→シャカシャカと振る「シェイク派」の人もいます。
→2~3分も揉み続ければ十分です。 - STEP 4ジップの端を少し開けて、中の汚れた水を捨ててから、再びぬるま湯を追加して袋ごとモミモミ。
→また汚れた水を捨てて…と同じ作業を3~4回繰り返します。
- STEP 5最後にジップを少し開けて、しっかり水捨て・水切りをします
→口を少し開けて、浴槽内に逆さに立ててしばらく置いておくと楽チンです。
→これで手を汚すこともなく、簡単に洗い~すすぎまでが完了です。
ジップ袋を使って手洗い洗濯することの最大の利点は、「何かのついでにできる!」ということ。
そして、洗剤に直接触れることもないので手を汚す心配も無いということ。
湯舟に浸かりながらでも、テレビを見ながらでも、翌日の旅行日程を確認しながらでもOKです。
とにかく手間は最小限に抑えて、時間は最大限に活用しながら洗濯ができてしまいます!
海外旅行や長期旅行にはこんな強力グッズも!
国内の短期旅行であれば、このようなジップ袋での洗濯で十分にまなかうことができます。
しかし…
「海外旅行の旅先でもコインランドリーなどに頼らず手洗い洗濯したい!」
「長期の旅行なので、もっと本格的にガッツリと大量に手洗い洗濯したい!」
という上級者には、「世界最小の洗濯機」の異名を持つ「スクラバ」という手洗い洗濯専用の便利グッズがあります。
つまりは『手洗い洗濯専用の恐ろしく丈夫な袋』です!
これはとにかく着ている衣類は何でも「ゴリゴリに」洗える強力な代物です。
定番のTシャツや下着はお手の物で、かさばって洗いにくい厚手の綿のシャツや、手洗い洗濯界最強の難敵であるジーンズなんてものまで洗えてしまうのです!
洗濯事情の良くない海外の国々を旅行される方や、数週間や月単位での長い旅行で洗濯代を節約したい方にとっては、かなりの「強力な」洗濯グッズとして活躍してくれそうです。
脱水はバスタオルで「タオルドライ」
「ぞうきん絞り」は厳禁
すすぎが終わった衣類の脱水にかかりますが、ここで絶対にやってはいけないことがあります。
それはいわゆる「ぞうきん絞り」です。
ギュっとひねって絞れば水分を捻り出せそうですが、これでは衣類の生地が痛んでしまいます。
私は過去にうっかりこれをやってしまい、Tシャツがビロ~ンと伸びて着れなくなりました。
そこで、予備段階の脱水としては「ひねる」のではなく、「ボール状に固めてギュっと握って」少しずつ脱水します。
こちらのやり方なら、生地が傷んだり伸びたりするリスクは少なくなります。
バスタオルを活用して脱水!
そして脱水の仕上げとして登場するのが、ホテルの客室なら必ず用意されているバスタオルです。
- STEP 1バスタオルの上に軽く水気を切った衣類を広げます。
- STEP 2バスタオルと衣類をぐるぐると「ロール状に巻き込み」ます。
- STEP 3出来たロールを、押したり、揉んだりして水分をバスタオルに移動させます。
→脱水というよりは、「水分を移し替える」という感覚です!
→上から踏んで脱水するという猛者もいるようです… - STEP 4いったんロールを解いて、バスタオルと衣類を裏返して、再びロール脱水。
- STEP 52~3回繰り返したら、ロールを解いて衣類を取り出して脱水完了!
→あとはハンガーなどにかけて乾燥に回すだけです。
これらの作業をきちんと行って脱水すれば、Tシャツや下着類などのたいていの衣類は一晩で乾いてしまいます(※あくまでも経験則ですけれど)。
バスタオルの代わりに水泳用セームタオルを使っても効果的!
ここでちょっと問題になるのが、大抵のホテルではバスタオルはきっちり人数分しか部屋に用意されていないため、入浴のためにバスタオルを使ってしまうと、洗濯用のタオルドライに回せなくなってしまうということです。
入浴後のバスタオルを脱水用に使うのでは、タオルドライの効果が半減してしまいますし、衛生的にも抵抗がある人が多いのではないかと思います。
そんなときの強い味方が、水泳用の速乾タオル「セームタオル」です!
これを旅行用の荷物に忍ばせておけば、洗濯物の脱水専用タオルとして活用することができます。
このタオルの良いところは、たとえ水分を含んでも絞ればあっという間に乾いて何度でも使用できることです。
これならば、タオルの枚数を気にすることも無く何度でも洗濯物のタオルドライが可能になります。
また、軽量・薄手なので旅行の荷物に忍ばせておきやすく、もちろん本来の用途である汗拭きや雨に濡れたときのタオルとしても活躍してくれます。
洗濯に関係なくても、旅行の際は持っておきたい便利アイテムです。
洗濯物の干し方のポイントは2つ!
[ポイント①] 浴室ではなく「客室」に干しましょう
ホテルによってはバスルーム内に洗濯用のひも(あの引き出してビヨ~ンと伸びるやつ)が設置されている場合があります。
しかし、浴室内は湿気が溜まりやすい環境なのでそこで干すのはあまりおススメしません。
また、ホテルの中には、浴室の換気扇のパワーが貧弱なところが結構あります…
浴室にかけておいたバスタオルが、翌朝になっても全然乾いていない、という経験をした人は多いのではないでしょうか。
その意味では、洗濯物は浴室ではなく、客室で干したほうが圧倒的に乾きやすいです!
よく考えると、ホテルの客室と言えばパリパリに乾燥する場所の代表選手なのです。
また、洗濯物を干しておけば、加湿器代わりに室内の乾燥を防ぐ効果も得られて一石二鳥です!
[ポイント②] エアコンの風を絶えず当て続ける
ホテルの客室内はとても乾燥するので、洗濯物を干すのには確かに格好の場所なのですが、単に客室に干しただけでは、思ったほど早くは乾いてくれません。
そこでもうひと工夫、「エアコンの風」を活用します!
バスタオル脱水が済んでハンガーにかけた洗濯物は、エアコンの風が直撃する場所に吊るします。
ここでポイントなのは、別に「強風」でなくてもよいということです。
緩やかな微風でもよいので、絶えず風を当て続けて、洗濯物の「周囲の空気を動かす」ようにします。
すると、たとえ弱くても絶えず風が当たることで衣類に残った水分が気化し、乾燥が促進されます。
頃合いを見て、風が当たっている面が乾いてきたら、裏面に返してまんべんなく風を当てるようにするとムラなく完全乾燥できます。
また、ホテルの客室の構造上、どうしてもエアコンの風が当たる場所に洗濯物が干せない場合は、「空気清浄機」の風を下から当てる方法でも代用できます。
ちなみに、ホテルの部屋に置いてあるハンガーの数が足りなくて、
「せっかく洗ったはいいけど干せない!」
という残念な場合があります。
そんなときは旅行用の折り畳み式ハンガーを用意しておくと非常に便利です。
この手のハンガーの良いところは、ピンチを内蔵しているので靴下を干すのにピッタリなのです!
もちろん、移動中の乗り物の中で上着を掛けておくという本来の用途でも大活躍してくれます。
まとめ
旅先に持って行く荷物を減らす方法のひとつとして、この手洗いは非常に有効な方法です。
必要最小限の衣類を、必要最小限の水と洗剤だけで洗うのでエコであるとも言えます。
また、共用設備であるコインランドリーの使用をなんとなく躊躇する方もいるかもしれません。
その意味では、すべてが部屋の中で完結できてしまう手洗い洗濯はとても理にかなっています。
これまで「ホテルの部屋で手洗いなんて貧乏くさい」とちょっと敬遠されていたような方でも、
一度やってみると意外と簡単で、その便利さに驚かされるかもしれません。
今回の内容が、皆様の身軽で快適な旅行の役に立ってもらえたら嬉しい限りです。